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総選挙目前、カギを握る第3の勢力

  • 此下竜矢

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2007年12月21日(金)

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 午前1時25分の関西国際空港発のタイ航空の便は、順調に運行されれば、早朝にタイの新しい玄関口、バンコク・スワンナプーム国際空港に到着する。そこからバンコクの郊外にある自宅には、クルマで移動して、だいたい午前5時半には帰宅できる。出社で自宅を出るのは、午前7時30分。それまでの約2時間は、いつもは旅の疲れを癒やすことのできる静かなひとときだ。

 だが、12月初旬の出張は違った。早朝に空港に着き、帰宅したまでは同じだったが、朝6時頃から家の外が騒がしくなり始めた。何かと思って外に出てみると、2007年12月23日に実施される総選挙に向けて、支持を訴えるパランプラチャーチョン党(国民の力党)の宣伝カーがやって来ていた。

 近くの市場では、対立するプラチャティパット党(民主党)だ。市場の入り口から白いユニフォームを着た候補者の3人が笑顔を振りまきながら歩いている。日本の選挙で候補者が、商店街を歩いて支持をお願いするのと同じ光景だ。ただ違うのは日本の候補者は、その場にいる人々に握手して回るが、タイでは手を顔の前で合わせるワイをして回っているということだ。

タイの選挙運動の風景

 タイは、2006年9月の軍事クーデターで、当時のタクシン首相は解任、軍部の暫定政権に移行した。暫定政権は今年8月末に新しい憲法を発布し、そして12月23日に総選挙を実施して、再び民政に移管する。選挙は、タクシン政権時代の最大野党の民主党や、同じく野党だったチャートタイ党(タイ国民党)や、もと与党愛国党が分裂してできた、国民の力党、マッチマーティパタイ党(中道党)、プア・ペンディン党(国土党)、ルアムチャイタイチャートパッタナー党(国民和合国土開発党)に分かれて闘っている。

タイの政党の概要

クーデターを招いた前回総選挙の混乱

 前回の総選挙は、2006年4月2日。この時は、タクシン前首相への退陣運動が高まっている中で実施され、野党が選挙をボイコットし、結局、選挙は無効になった。こうした異常事態になったのは、総選挙の2カ月前の2006年2月にタクシン首相一族を巡る不正疑惑が持たれたため。一族所有のSHIN(シン・コーポレーション)の株式をシンガポールの政府系投資ファンドに2006年1月に売却した際に、一族が資産隠匿や課税逃れをした疑いがあるという口実で、この数年間、タクシン政権の圧倒的な勢いの前に抑えられていた、反タクシンの諸勢力が活動を開始した。この結果、タクシン首相退陣運動が盛り上がった。

 タクシン首相はこれに対し、総選挙に打って出た。もともとタクシン与党であった愛国党は圧倒的な支持率を誇っており、選挙では勝つことが確実視されていた。このため憲法と選挙法の穴を突いて、野党が選挙ボイコットを実行し、選挙は無効であるとされた。この過程の中で、首相の退陣、退陣不要論が渦巻き、国政は不透明感をぬぐえないまま半年が過ぎた。そして9月19日にクーデターが起こった。

 クーデターというと、平和憲法の中で長期安定政権が続いた環境で長らく暮らしてきた日本の方は、一大事のように感じられるかもしれない。しかも、クーデターでお隣のミャンマーやラオスのようにタイにも長期の軍政が敷かれ、経済成長に陰りを差すのではという懸念も持たれるかもしれない。

「after crisis 燃えるタイ経済」のバックナンバー

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