「サブプライム後の世界経済」

「世界一になるまで成長を緩めない」

リーダーに聞く:小川 賢太郎 ゼンショー社長

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2007年12月18日(火)

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 世界経済を震撼させている米国のサブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資)問題は、昨今の世界経済が、思いもよらぬ形で、突如としてリスクが表面化し、短期間で大きく変化するボラティリティー性の高い環境であることを改めて我々に示した。

 グローバルに事業展開する企業や、M&A(企業の合併・買収)などで資本を積極的に活用する企業は、これまでにないリスク管理と視点が求められるようになった。

 レストラン業界に、M&Aで急激な成長を遂げている企業がある。「すき家」「なか卯」「ココス」といった外食チェーンを展開するゼンショーだ。「フード業世界一」という目標を掲げて積極的なM&Aで業容を拡大。売り上げ高はこの10年で約17倍の成長を遂げた。

 M&Aを進めながら食の安全性をどのように保つのか、そして日本発の外食産業をどうやって世界に根づかせるのか──。小川賢太郎社長に、混迷する世界経済の中でフード業世界一を実現するための戦略を聞いた。

(聞き手は日経ビジネス オンライン編集長 川嶋 諭)

── 石油から食料まで、あらゆる原材料の価格が高騰を続けています。外食産業の会社として、そうした状況をどのように見ていますか。

小川 ゼンショーは「フード業世界一」を目指して創業した会社ですので、世界の食料供給体制には常に深い関心を持ち続けてきました。

 現在、食料品の原材料価格は確かに高騰しています。ただし、その本当の原因は何なのか、そして今後はどうなるのかということについて、冷静に判断する必要があります。

図版

ゼンショーの小川賢太郎社長
(写真:菅野勝男)

 本来、モノの価格は実需ベースの需給バランスで決まるべきです。ところが、現在はそうなっていない。言うまでもなく、世界で流れるお金の量が膨大になっているからです。特に、ヘッジファンドがレバレッジを利かせた、膨大なお金が世界を駆け巡っている。そのスピードもますます速くなっています。それが今の原材料インフレを生み出している大きな背景だと思います。

 ヘッジファンドの投機対象は株や債権、原油だけではなく、食料品にも及んでいます。トウモロコシもそうだし、大豆もそう。実弾のお金だけじゃなくてバーチャルなお金が食料品の世界にも流れ込んできているのです。だから食料品の世界でもボラティリティーが大きくなっていることは確かです。

 ただし、ボラティリティーが大きいということは、下がる時期も早いということです。投機筋の動き次第では、一気に下がるでしょう。来年の中頃までには、食品原材料価格については、下げ局面が来るのではないかと見ています。

── しかしこうやって高騰を続けているうちに、底がどんどん上がってくるという危険性はないのでしょうか。

小川 その可能性はあるかもしれません。実際に、将来的に食料の供給が逼迫するいくつかの要因があります。最大の要因は、地球上の人口が増えているということでしょう。今世紀中頃には90億人に達するという予測もあります。また地球温暖化という要因もあります。地球温暖化が、食品の原材料となる動植物の生成や発育に悪影響を及ぼす可能性が報告されています。

 また、もっと短期的な要因として中国、インドの動向も無視できません。特に中国は急激なスピードで経済成長していますから、国際市場に参入してくる人口が一気に増えることが予想されます。つまり人口動態よりも速いスピードで、需要を押し上げていくことになる。これは今後5年ぐらいの間に起こり得る問題だと思います。

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