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副作用、資産インフレに注意

“サブプライム金融緩和”が好景気のアジアにもたらす影響

  • 竹島 慎吾

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2007年12月25日(火)

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 米国のサブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資)問題に端を発したグローバルな信用収縮懸念により、アジアの金融・資本市場は一時調整色を強めたが、混乱は短期間で終息した。9月に米国が金融緩和に踏み切ったことを契機に市場は落ち着きを取り戻し、10月から11月上旬にかけてアジアの株価は軒並み8月の「サブプライムショック」前に記録した最高値を更新した。

 当初、懸念されたアジア通貨危機のような大量の資金流出懸念は杞憂に終わった。また、アジア各国で2007年の成長率見通しを上方修正する動きが相次ぐなど実体経済はこれまでのところ堅調に推移している。

 米国の金融緩和と中国の高成長が緩衝材となり、サブプライム問題のアジア経済への影響は軽微にとどまっており、今後もこうした環境がアジア経済を支える公算が大きい。しかし、こうした要因がもたらす副作用にも目を配る必要がある。

米国・アジア、連動型経済に抱えるリスク

 米国の金融緩和はプラス効果がある半面、景気浮揚よりも金融システム不安払拭を目的として金融緩和局面が長期化した場合には、アジアに資産インフレをもたらす可能性がある。米国の金融緩和により過剰流動性が持続、潤沢なマネーが高いリターンを求め高成長の持続が見込まれるアジアの株式や不動産市場に大量に流入する可能性があるからだ。

 世界のドル流通量を見ると、足元で再び伸び率が高まっている。金融市場に目を転じると、アジアの株価は回復傾向をたどっており、多くの国で、足元、過去最高値圏で推移している。また、シンガポール、香港などを中心に不動産価格も上昇傾向にある。株価については、PER(株価収益率)が60倍近くに達している中国を除けば、現時点でバブルとは言い難いが、今後、海外からの資金流入が加速した場合、バブルに発展する可能性もある。

 米国の金融政策と連動する傾向にあるアジアの金融政策が、今後、資産インフレを助長する一因となる可能性もある。アジア主要国・地域の金利推移を見ると、ASEAN(東南アジア諸国連合)を中心に米国のFF(フェデラル・ファンド)レートと総じて連動する傾向がある。

 この背景には、アジアは米国との景気の連動性が高いこともあるが、米国との金利差を一定の範囲内に維持することで通貨の安定を図る狙いもある。アジアの景気が堅調にもかかわらず、米国の金融緩和を受け、金融政策が金融緩和気味、もしくは引き締めに慎重なスタンスを取った場合、1980年代後半の日本が経験したような資産バブルに直面する可能性も出てこよう。

中国マネーがアジアを動き回る

 このほか、中国マネーを巡る動きにも留意が必要である。

 中国は実体経済面から見ると、貿易拡大を通じ世界経済への影響力は大きくなっているものの、マネーという観点ではまだ影響力は限定的である。これは、中国が厳格な資本規制を敷いており、海外の金融・資本市場との直接の接点をほとんど持たないためである。しかし、中国政府は徐々に対外投資の規制緩和を進めており、急速に膨れ上がる中国マネーに対する「期待」が世界のマネーフローに影響を与え始めている。

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