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ロシア:その3
人材難の中での人件費高騰の二重苦

  • スティーブ・モリヤマ

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2008年1月11日(金)

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ロシアの国旗

ロシアの国旗

 ソ連が崩壊した1991年、筆者はロンドンで監査人として働いていた。同僚はほぼすべて英国人だったが、2人だけロシア人がいた。2人とも古典に精通し、その教養の高さには、何度も驚かされた思いがある。

 ソ連時代の教育レベルは高かったと言われている。教員の質が高く、しかも能力のある生徒に対し、周囲が足を引っ張ることなく、皆の喜びとして応援し、才能を伸ばしていく空気があったという。これは社会主義の持つ、数少ない利点の1つと言えるかもしれない。

ロシアの地図

 こうした背景の下、ロシアの30代後半から40代前半の人材は「平均的に世界で最も優れている」と多国籍企業の人事部長の間でささやかれてきた。むろん、サービスや販売に関する実務的な知識や知恵が欠如している点は、社会主義の中で育った人たちである以上、仕方がない。

 しかし、新しい知識を学ぶ時に、深い教養が支えになるのは言うまでもない。その意味で、ソ連時代に教育を受けたロシア人は、端倪(たんげい)すべからざる存在である。

 ところが、体制転換後、経済の発展とともに人々がテレビやインターネットを通じて様々な娯楽を、いとも簡単に手に入れられるようになり、また政府の教育投資低下も相まって、ロシアでの人材の質の低下が叫ばれるようになってきた。

若者間に一攫千金的な思考が増長

 プーチン大統領もこの問題について由々しき問題として認識し、1996年頃から教育改革を提唱し、教育への重点投資を再開した。だが、我が国でも同じように、教育の再生は一朝一夕では行えないようだ。

 その理由の1つに、教員の質の低下が挙げられよう。まず給与が低い。現在ロシアでは、民間の給与は毎年10~20%も上昇するような売り手市場だ。こうした中、教員の給与レベルは民間の数分の1で、しかも賃上げ率も低いときている。

 こうした状況の中で、教育機関が優秀な人材を集めるのは至難の業なのだろう。揚げ句の果ては拝金主義が横行し、学位や単位を売買する事態も飛び出てくる始末である。

 若者の間に一攫千金的な志向が蔓延していることも大きい。体制転換後のパラダイムシフトの中で子供から大人に成長していった、現在30代前半までの「新人類」については、その上の世代と比べると、いささか趣が異なるようである。彼らは、子供の頃から欧米社会の豊かさを知っており、しかも国内では、体制転換後、短期間のうちに大富豪になった人々が英雄視されるのを目の当たりにして育っていっている。

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