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高まる米景気後退への緊張

  • 鈴木 敏之

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2008年1月11日(金)

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 年初に発表された指標が、景気後退への緊張を高めた。1月2日に12月のISM(全米供給管理協会)製造業景況指数が発表され、拡張と収縮の分岐点の50を割る47.7となった。

米国の景気先行指数とISM製造業指数の推移

 続いて、1月4日に発表された12月の雇用統計では、非農業部門雇用者の増加数がわずか1.8万人にとどまり、しかも民間部門は前月比減となり、失業率が4.7%から5.0%に上昇した。

2月1日に発表予定の2つの指標は、要注意

 2月1日は、非常に重要な日になる。景気後退の緊張が高まるか否かを判断する2つの指標、ISM製造業景況指数と雇用統計が、この日に発表されるからである。統計にはノイズと言われる振れがある。ISMは製造業景況指数を発表後、統計には振れがあり、1回の50割れでは大きな判断はできない、という立場を取った。

 しかし、仮に、12月分に続き、1月分も続けて50を割ると、その論法は通じなくなる。雇用関連の指標や受注の指標から見て、企業の行動が慎重になっている様子があり、ISM指数の低調が続く可能性は否定できない。

 雇用統計はさらに心配が強い。今回既に民間が前月割れている。失業保険の統計は12月中下旬に雇用情勢の軟化を示している。これは、12月の雇用統計の調査週の後に雇用が削減された可能性を示す。その場合、2月1日に発表される次の雇用統計で、12月分が下方改訂される、すなわち、今回1.8万人の増加だったが、前月比減少に陥る可能性がある。

 また、雇用者数の前年同月比は0.92%増と1%を割っており、労働力人口の増加を吸収する雇用機会を確保できなくなっていると見られる。2月1日発表の今年1月分の雇用統計が低調であると、景気後退の懸念がより現実的になる。雇用関連の統計にはいくつかの周辺指標があり、それらを見ると軒並み弱まっている。このことから1月分の雇用統計も低調である可能性は高い。

変化の方向では既に景気後退が始まっている

 景気後退を判断する際には、景気を変化の方向で見るか、経済活動の水準で見るかがある。ミッチェル=バーンズ基準と呼ばれる変化方向で見る基準に従えば、既にそれは始まっている。ISM指数などは、短期間で上下動を繰り返してきたため判断が難しいが、非農業部門雇用者数の前年同月比は趨勢的に減速している。

 この後、人々が景気後退を意識することになりそうなのが、NBER(全米経済研究所)による景気後退の認定である。雇用の減少が続けば、NBERの委員会は、景気後退宣言の議論を俎上に載せる可能性が高い。

 巷間言われる2期連続マイナス成長は、景気後退の基準としては甘すぎるし、それが判明するまでにかかる時間も長すぎる。景気後退をもたらしたと批判されることを避けたい政治家には好まれる景気後退の定義かも知れないが、ビジネスの実務としては現実的ではない。景気後退は始まっているという認識を持つべきである。

問われる景気後退の姿

 大きな問題は景気後退が、どういう姿になるかである。その姿は非常に不透明ではあるが、強いインフレがなければ、強い景気後退もなく、経済活動は安定し、景気後退は浅く、短く、従って景気後退も軽微で済むという楽観論が成り立つ。

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