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サブプライム「冬の陣」

FRB議長の豹変の裏に、まだ潜む時限爆弾?

  • 本多 秀俊

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2008年1月16日(水)

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 FRB(米連邦準備理事会)、ECB(欧州中央銀行)、スイス国立銀行、英イングランド銀行、カナダ中央銀行の5つの中央銀行が昨年12月に実施した総額640億ドル+各国通貨資金の流動性供給で、金融市場は年末の資金需給の逼迫を無難に乗り切ったかに見える。

 米国のサブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資)の焦げ付きに端を発したクレジット危機の収束を巡っては、資本市場はいっそうの利下げを求めてきたのに対し、世界の中央銀行は物価上昇への強い警戒感から利下げを躊躇し、流動性の供給という形で対応してきた。

 年末の資金需給の逼迫を流動性の供給でうまく乗り切ったことで、これまであった資本市場と中央銀行との乖離は、中央銀行の正当性を証明する格好で収束するかに見えた。しかし、今月10日にFRBのバーナンキ議長が今月29~30日に行われるFOMC(米連邦公開市場委員会)で0.50%超の追加利下げの実施を示唆した発言は、まるで自らの判断の甘さを認め、市場の見解に迎合するかのような内容だった。一体、この間、何が起こり、何が変わったというのだろうか。

量では解決できない質の問題がある

 バーナンキ議長は10日に米ワシントンで講演し、「景気の下振れリスクが一段と明瞭になってきたことが示唆される」「一段の金融緩和が必要になる可能性は十分にある」などとした。これは、景気下振れリスクに警戒を払いながらも、景気減速と物価上昇のリスクはほぼ均衡しているとしてきた従来の姿勢とは一線を画すものだ。

 そもそも中央銀行による金融調整には、2つの大きな方向性がある。短期国債やコマーシャルペーパーを売買する現先オペや金融機関が自行に預けられている預金などを一定の比率で中央銀行に預けることを義務づける準備預金率で、市中に出回る資金の量を調整するのが「量の金融政策」だとしたら、その資金の金利水準の目安を打ち出す政策金利は「質の金融政策」と位置づけることができるだろう。

 実際には、資金の流通量と金利との間には密接な相互作用があり、この2者を厳密に切り離して考えることなど不可能だが、昨夏以降、サブプライムローンの毀損をきっかけに顕在化したクレジット市場の混乱は、この2つの金融政策の存在を際立たせることになった。

クレジット危機が浮き彫りにした構図

 当初、そして今でも根強く残っている1つの見方は、クレジット市場の問題は、「量」の問題であり、「質」の問題ではないということだ。夏場以降の金融市場における短期金利高止まりは、金融機関同士の疑心暗鬼を主因に、市場に流通する資金の「量」が不足したせいだ。

 疑心暗鬼が要因である以上、資金の「質」である金利を引き下げたところで、資金の「量」不足を根本的に解消することにはならない。それどころか、中央銀行が低利で資金供給することは、安易な貸し出しを積み重ねてきた金融機関の救済につながり、金融システムの将来に「困った時には中銀が救ってくれる」というモラルハザードを残すことになりかねない、という見方だ。

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