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消費病・米国の処方箋は強制預金?

  • ロバート・シラー

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2008年2月12日(火)

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 人は富に引きつけられるものだ。金持ちの生活を観察したり、豪邸や贅沢な休暇、高級車、グルメな食事について想像を巡らしたりするのが好きだ。しかし、だからといって、彼らが自分自身の蓄財計画に多くの時間をかけていると推論するのは、間違いだろう。

 「現在の収入からどれくらい貯金に回すべきか」
 「今貯蓄率を適正にするだけで、老後の財政状態にいかに大きな差が生じるか」

 こうしたことを真剣に考えている人はほとんどいないようだ。ほとんどの人が、ただ住宅ローンを返済し、公的年金や(もし加入しているなら)個人年金の掛け金を支払い、緊急時用にいくらか貯えている程度で終わっている。

将来に対する想像力が弱い

 経済学者のフランク・ラムゼー氏は1928年に出版された有名な論文の中で、人間は、今の行動が自分の将来にどう影響するかを「想像する力が弱い」と指摘した。人々が正しく考えれば、収入の半分を貯蓄に回すべきだという結論に達するだろうし、そうすれば、貯蓄により非常に幸せな老後を過ごせるかもしれない。だが、大抵の場合、人々はその可能性について考えすらしないのだ。

 現代の行動経済学者リチャード・セイラーは80年に「所有効果」について話した。人は、ほかの物を魅力的だと思っても、既に所有している物で十分幸せであるかのように行動し、本当の意味での変化を考える意志が欠けている。

 各国の政府が直面している最大の問題の1つが、将来の貯蓄に対する人々の無関心だ。ものの分かった指導者は、問題がはっきりと目に見える形で存在し、無視してはならないことを認識している。だが、伝統的リベラル主義の政治理念にも伝統的保守主義の政治理念にも、解決策を組み込むことが難しい。

貯蓄率と年金の関係

 例えばシンガポールでは、1955年以来、直接的なアプローチが取られてきた。それは国による強制預金制度で、その結果、シンガポールでは貯蓄率が非常に高くなっている。この中央年金基金(CPF)への高所得者層の拠出率は、現在34.5%である。

 米国には強制預金制度は存在せず、個人貯蓄率はものすごく低く、実際にはマイナスである。しかし、政府は強制預金制度の検討に乗り気ではない。その代わりに、貯蓄を妨げる個人の無気力を克服する対策を講じようとしている。

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