インドは、この2〜3年、主にベンガル湾など東部海岸地方で大型ガス田の開発を進めている。財閥グループのリライアンス、インド石油天然ガス公社(ONGC)、グジャラート州石油公社(GSPC)などによるものだ。
このうちインド最大規模と目されるリライアンスのディルバイ・ガス田が、いよいよ今年、操業を開始する。その開発は、大きな期待を集めている。ディルバイ・ガス田はこれまで、全体の面積の20%に当たる3.14平方キロが調査され、原油換算で660億バレルの埋蔵が確認され、全体の推定埋蔵量は2050億バレルと見られている。
その内訳はガス状のものが400兆立方フィート、コンデンセート(液状)のものは50兆立方フィートと推定され、それぞれの確認埋蔵量は104兆立方フィート、6兆立方フィートに達している。
石油の輸入依存度は8割
インドでは天然ガスを、これまでエネルギー源として、あまり活用していなかった。パイプラインの敷設や液化などで、コストがかかることなどが大きい。また資源が豊富とされるベンガル湾の開発は、パキスタンとの関係が冷えんだ影響を受けて、進めにくかった面もある。こうしたことから、これまで主要なエネルギー源は石油と石炭に頼り、石油の輸入依存度は8割に達する。
しかし、国際関係も改善しており、天然ガス開発に弾みがついている。今後は天然ガスの活用で、石油依存度の低下が大いに期待されている。インド政府は経済成長を支えるため、石炭の利用、水力などの非火力の開発とともに天然ガス開発を重点エネルギー政策に位置づけている。
これまでインドは、天然ガスの30%近くは液化したLNGの輸入に頼ってきた。ベンガル湾でのガス田発見の前に、インド政府はカタールの大手ガス会社RASガスと25年の輸入契約を結んでいる。今回のガス田開発で、原油の輸入量が削減できるだけでなく、天然ガスを都市ガスにするために販売業者や電力会社に与えている補助金を削減できるメリットもある。
発電能力は5年で倍増へ
ベンガル湾での一連のガス開発は、インドの産業にも多くの恩恵をもたらしそうだ。まず電力が挙げられる。天然ガスは発電効率が良く低公害で、取り扱いやすいというメリットもある。現在、インドではガスによる発電能力は2800万キロワットだが、5年以内に倍増させることができるだろう。
肥料問題の解決にも期待されている。インド経済で農業がGDP(国内総生産)に占める割合は高い。化学肥料の原料として天然ガスを活用できれば、現在の肥料不足の解消が期待できる。政府は、小規模農家に対して低価格肥料の供給を目指しており、天然ガスの活用でその政策は実現しそうだ。
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オランダ系INGグループの運用会社、INGインベスト・マネジメント(インド)のファンドマネージャー。国際公認投資アナリスト(CIIA:Certified International Investment Analyst)。1999年インド国際ビジネス大学(金融工学)卒、同博士課程終了。前職はHFDC証券アナリストで、証券業界に通算8年在籍。趣味は読書、旅行、コイン収集。菜食主義の厳格なジャイナ教教徒







