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サブプライム相場の終焉

「理不尽」な値動きが示唆する材料の転換

  • 本多 秀俊

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2008年2月14日(木)

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 難しい相場が続いている。1月30日にFRB(米連邦準備理事会)が米国の短期金利の指標であるFF(フェデラルファンド)金利の誘導目標を0.5%追加利下げしたのに続き、英国の中央銀行であるイングランド銀行も2月7日に0.25%の利下げに踏み切った。一方、同じ7日、欧州中央銀行(ECB)は政策金利を据え置いた。

 これでこの間予定された主要中銀による金融政策発表はひと通り出揃ったことになり、それぞれの決定はいずれも市場の大方の予想通りだった。にもかかわらず、金融市場の反応には、何か「落ち着きを欠いた」居心地の悪さが漂う。相場の転換期には往々にしてこのような不安定さが表れるが、では次の方向感を、一体どう読んだらよいのだろうか。

理不尽な乖離が散見

 現時点で感じる個人的な「予感」を一言で表すなら、「サブプライム相場の終焉」である。サブプライム相場とは何か。これもまた個人的なものになるが、1つの定義を言えば、「米国のサブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資)を代表とする証券化商品の価値毀損を震源として、各地に広がった信用不安を主な材料とした相場」というものになるだろう。

 サブプライム問題は、米景気の減速観測が定着、世界的な株安、ドル安、長期金利の低下(国債価格の上昇)と波及した。リスク許容量の低下が、円キャリー取引(低金利で借り入れた円を売り、買った高金利通貨を預け入れて金利差収益を上げようと目論む取引)の巻き戻しを生んだ。円の全面高が展開したのも、サブプライム相場の一環と位置づけられる。

 では、サブプライム相場が終わるような気がする理由とは、どういうものか。個人的に感じた予感を、論理立てて説明するのは難しいが、端的に言うなら、昨夏以降現在まで、市場関係者が組み立ててきたサブプライム相場のロジックと、足元の金融市場の値動きとが「理不尽」に乖離する局面が散見されるようになったからだ。

 ただしそのことは、サブプライムの毀損などを原因とする金融機関などの混乱が収束したことを意味しない。金融機関はおろか、金融機関以外の投資家や一般事業法人などの損失計上は、むしろこれから本格化するとすら見込んでいる。

 それでもサブプライム相場の終焉を予見するというのは、つまり、サブプライムを材料とした、上記のような値動きが、株であれ、債券であれ、通貨であれ、既に、今後予想される損失計上の分を織り込んで余りあるほど、進み過ぎてしまったということだ。最初に、筆者の専門である、為替について、何をきっかけに相場の転機を予見したのか、説明しよう。

米利下げ後、ドル指数は“力強い上昇”

 各国の金融政策動向が通貨市場に与える影響は、単純なようでいて、実は相当に入り組んでいる。通常、利上げはその通貨に対する投資妙味を増すことで通貨高につながりやすく、逆に利下げは通貨売りにつながりやすい。しかし、相場の値動きには、常に「市場の織り込み」と「実際の結果」との相対関係が何よりも強く影響する。

 例えば、FRBは1月22日にFF金利を0.75%の緊急利下げを実施したのに続き、30日にも0.50%の追加利下げをしたことで、わずか7営業日の間に合計1.25%もドル金利を引き下げた。しかし、ドルの全般的な強弱を示すドル指数(ニューヨーク商品取引所が主要6通貨に対するドル水準を基に算出)は、30日の利下げ発表直後に小幅下落を見せただけで膠着した。むしろ2月5日以降は、力強い上昇に転じてしまった。

米政策金利とドル指数(2007年5月~08年2月)

 市場の虚を突いた緊急利下げが現実のものとなった時点で、追加利下げの織り込みは急速に進み、30日に利下げが発表された時点までには、少なくとも0.50%、場合によってはもう0.75%の利下げが期待されていたのだ。

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