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応募額46兆円の注目銘柄の産業は

  • 豊島 信彦

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2008年3月4日(火)

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 米国のサブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資)問題は世界のIPO(新規株式公開)市場に暗い影を投げかけている。金融情報サービス会社の米トムソン・ファイナンシャルによると、今年1~2月の世界の62社がIPOを中止し、それによって約210億ドル(2兆3100億円)が未調達となった。

世界の株式指数・年間騰落率

 信用収縮で投資家心理が冷え込み、株式市場が低迷している表れと言える。サブプライムの影響は先進国、新興国に限らず波及している中で、注目すべきは、今年はこれまで実施されたIPOの中で、85%が新興国市場で行われていることだ。

世界の投資家の目は引き続き新興国に向いている。

政府の後押しが投資熱を助長

 中でも最大規模は中国の鉄道建設会社のチャイナ・レイルウェイズ・コンストラクション(漢字社名は中国鉄道建築)で、上海証券取引所で2月26日に24億5000万株、約31億ドル(3410億円)を売り出した。驚くべきは、このIPOの申し込み金額が、なんと3兆800億元、約46兆円集まったことだ。その90%は個人の申込みという。

 実は昨年11月に同業で、やや規模の大きいチャイナ・レイルウェイ・グループ(中国中鉄)が実施したIPOには3兆3800億元(約50兆円)の申し込みがあった。

今回のIPOはそれには及ばなかったものの、市況が約15%下落と低調な中でも集まったことを考えると、本土マネーの底力、米国とのデカップリング(非連動)がうかがえる。

 この中国鉄建という銘柄に、なぜこれほどの人気か集まったのか。同社は上海のリニアモーターカー路線の建設を手がけ、さらに中国で今、人気の青海省とチベットを結ぶ「青蔵鉄道」を完成させた。さらに旧正月明けに着工された北京―上海高速鉄道で最大の受注業者となり知名度の高い企業である。

 しかし、本当の人気の秘密は別のところにある。中国政府がお金を注ぎ込もうとしている分野での代表企業であるからだ。この点について2006年10月の本欄の記事「世界最大IPOの裏―中国工商銀行が上場」でこう指摘した。

  

 「…中国株に投資する際には大きな流れとして、政府がどの産業に力を入れているか知ることが重要で、それは90年代の海外上場解禁後、どの業種を上場させてきたかで判断できる。初めは鉄鋼などの素材産業、次いで通信、電力、そして今回の銀行である。これで銀行改革は仕上げだろう。投資家の目は次の産業に向いている」

 前回指摘した産業の次にくるのが鉄道なのだ。そのため、鉄道建設市場は急拡大しており、先に上場した鉄道建設会社の中国中鉄は「建設収入では中国で1位、アジアで1位、世界では3位(2006年)」(中国中鉄の上場目論見書)と述べている。つまり、鉄道建設では、日本のゼネコンを凌ぐ収益力を持つとうたっている。

中国特有のマジックも

世界の建設会社売上げランキング

 いつの間に、中国でそのような巨大企業が生まれたのか? ここが中国独特のマジックでもある。中国中鉄の上場が視野に入った2006年12月、鉄道省傘下企業の四十数社が同社の下に集められたのだ。それによって2006年12月期の同社の決算では、売上高が1536億元(約2兆3000億円)と、鹿島建設1812の1兆8900億円、大成建設1801の1兆8733億円(いずれも2007年3月期)を上回った。

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三品 和広 神戸大学教授