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進む円高、リスク回避よりもドル回避に

欧州当局の不気味な沈黙の裏に、人民元の上昇加速

  • 本多 秀俊

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2008年3月12日(水)

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 円高が止まらない。この3月に入り、対ドルでは、2005年1月以来となる101円台半ばまで突入した(3月10日現在)。対ユーロでも2月末につけた161円台から一気に5円を超える円高が進んだ。

 市場では米国のサブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資)問題を発端とした金融不安から、「リスク回避」をこの円高の最大の原動力と見なす声が強いようだが、どうも腑に落ちない。商品価格や一部新興市場通貨の上昇からは、むしろ積極的な「リスク志向」がうかがえるからだ。今般の円高は、人民元を筆頭とするアジア通貨全般がドル安を受け入れることで本格化した、「ドル回避」の一環と捉えるべきではないだろうか。

 確かに、足元の金融市場の値動きには、「リスク回避」をうかがわせるものが少なくない。円と並ぶ低金利通貨であるスイス・フランも急騰している。スイス・フランと円とは、低金利通貨売りの相対として高金利通貨を購入し、金利差から収益を上げることを狙ったキャリー取引の調達通貨として広く認識されている。

 その対極として新興市場高金利通貨の南アフリカ・ランドが売り込まれている。世界的な株価の軟調推移や通貨市場のボラティリティー(変動率)上昇なども併せ、一連の値動きは典型的な「リスク回避のレシピ」と言えるだろう。

 その一方で、南アフリカ・ランド同様、リスクの高い新興市場高金利通貨に位置づけられるブラジル・レアルやポーランド・ズロチは続騰している。ほかに値上がりを続けているものを挙げるなら、原油は言うに及ばず、金、プラチナ、銅といった金属、大豆、小麦、トウモロコシといった穀物、さらには船舶輸送量など、枚挙にいとまがない。こうした価格上昇が、需給だけを背景にした実需要因によるものとは、到底思えない。

音無しの構えの欧州当局者

 こうして、一見リスク回避に見える値動きと、積極的にリスクを取りにいくかに見える値動きが同時に混在する以上、現在の相場をリスク許容量の多寡で解読するには限界があるだろう。では、代わりに何が現在の相場を動かしているのか?  筆者の私見として「ドル回避」を提唱したい。

 もちろん、ドル安の流れは今に始まったことでないし、商品価格の高騰などもドル安の裏返しとする見方が定着して久しい。ドル安要因だけで円高・ドル安が進むように、商品価格の上昇も、ドル安を受けたドル建て表示価格の上昇に過ぎないとする見方のことだ。

 しかし、昨今のドル安には、2006年以降本格化した米経常赤字を嫌気したドル安とも、昨年8月以降急速に進んだサブプライムローンの毀損を要因としたドル安とも、大きく異なる点がある。

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