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利下げ後の利上げを織り込み始めた市場

  • 吉本 元

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2008年3月21日(金)

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 米国経済は、2四半期連続のマイナス成長という、厳密なリセッション(景気後退)の定義には、かろうじて当てはまらないものの、超低空飛行の状態である。昨年末より製造業と非製造業のISM(全米供給管理協会)指数は、業況の改善と悪化の分かれ目である50を、割り込みと上回りを繰り返している。

 1990~91年、2001~03年のリセッション時に見られた月間20万人以上の減少とはなっていないものの、雇用統計の非農業部門雇用者数はこの1月と2月と、2カ月連続で減少している。こうした情勢から、3月18日のFOMC(米連邦公開市場委員会)では、米国の短期金利の指標であるFF(フェデラルファンド)金利を0.5%追加利下げすると見られている。

 しかし、3月のFOMCの後の3月半ばから4月にかけては、金融市場に対する不透明感が残る中で、金融機関の2007年12月~2008年2月期あるいは2008年1~3月期の決算発表が控えている。

 米政府も景気を下支えるため、所得税減税により税還付の小切手を各世帯に届ける即効性の高い対策を実施するが、小切手が届き始めるのは5月まで待たなくてはならない。それまでには、少なくとも利下げで対処しようというのが、現在のFRB(米国連邦準備理事会)の方針であろう。

インフレ警戒を持ち出すFRB関係者の意図

 ところが、こうした挙国一致で景気対策に邁進する最中に、FRB関係者の中で、インフレリスクに関する発言が増えている。ニューヨーク連銀のガイトナー総裁が3月6日に「インフレ加速のリスクを認識している」と発言し、翌7日にはサンフランシスコ連銀のイエレン総裁が「最近のインフレ統計は期待外れだ」とした。両連銀総裁の言う、インフレリスクには3つの背景がある。

 第1に、原油価格とそれ以外の商品価格の上昇の影響である。これが、ガソリン価格や食品価格といった消費財に反映されている。さらに、それ以外の消費財にも波及が見られる。エネルギー価格と食品価格を除いたコアの個人消費デフレーター上昇率を見ても、昨年11月以降、FRB関係者が非公式に物価安定の水準としている1~2%というレンジを上回っている。

 第2に、雇用統計である。先ほど、非農業部門雇用者数は2カ月連続で減少と述べたが、失業率は2カ月連続で低下し、4.8%となっている。雇用者数の減少が起きても失業率が上昇しないのは、2月の失業率低下は労働参加率が低下したからだ。

失業率と労働参加率

 雇用を失った人たちが再就職を求めて労働市場にとどまるのではなく、労働市場から退出する形になっている。このため、失業率は、4.5~5.0%と言われる完全雇用の水準にとどまっており、目立った「人余り」は見られない。さらに、失業率低下に相応し、賃金の減速や労働時間の減少も見られなかった。

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