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チャンネル諸島:
生き残りのカギは“脱英入世界”

  • スティーブ・モリヤマ

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2008年3月21日(金)

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 筆者が英国の勅許会計士として駆け出しの頃、隣の席で長電話をしながら、早口のフランス語をまくし立てている英国人の同僚がいた。電話の後、「驚いたよ、ネイティブスピーカーみたいだね」と言うと、「ジャージー島生まれだから、当前だよ」という、予期せぬ答えが返ってきた。その時はピンとこなかったのだが、後にこの島を訪れてみて合点がいった。英国よりもフランスの方が近いのだ。仏ノルマンディー沿岸部までわずか16キロに対し、英国本土までは160キロある。

チャンネル島の地図

 チャンネル諸島は、「ジャージー」と「ガーンジー」という2つの構成主体より成る。最大の島は、英国とフランスの香りが絶妙にブレンドされた風光明媚なジャージー島だが、最大と言っても伊豆大島より少し大きい程度であり、ほかにもっと小さなガーンジー島や、オルダニー島、サーク島、ハーム島などガーンジー管轄の小島がいくつかある。

 前回のマン島と同様、チャンネル諸島は「クラウン・ディペンデンシー」(英王室属領)であり、英国(UK)の一部ではない。独自の議会と政府を持ち、内政に関して高度の自治権を持つ。原則として、外交や防衛などは、英国政府に委任しているが、特にジャージーは、近年、国際社会においても、独自のプレゼンスを示し始めているようだ。

チャンネル諸島の概要

国税を挑発した「フレックス課税方式」

 日本では「知られざる」国のチャンネル諸島が世間の関心を引いたとしたらそれは2006年のことだ。ガーンジー島に子会社を置く日本の親会社が、ガーンジー子会社の留保所得を、日本親会社の益金に算入すべきとした課税当局の更正処分を受けた。親会社は当局の処分を不服とした訴訟を起こしたが、東京地裁が、当局の更正処分を適法とする判断を下したのだ。

 この裁判では、ガーンジーにおいて、税率26%で納付した税金が、日本のタックスヘイブン対策税制規定の「外国法人税」に該当するかが争点となったが、地裁は「該当せず」という判決を下した。親会社は控訴したが、2007年には東京高裁も地裁の判決を支持している。

 ガーンジーでは、他の多くのタックスヘイブン国と同様、いくつかの課税方式メニューの中から、非居住者が最適な税率を裁量で選択できるシステムがあった。

 原則は、20%の定率課税だが、ほかに「段階税率課税」があり、また「免税法人」や「インターナショナル・カンパニー」という名の課税資格を取得して、前者は0%、後者は0%から30%の間の税率の中から納税者が任意選択し、当局が承認した税率で課税される方式があった。

 本件では、上述の「インターナショナル・カンパニー」の課税資格をガーンジー税務当局から取得して、税率26%で賦課決定を受けていた。

 日本のタックスヘイブン対策税制を限られた紙面で説明するのは困難だが、一言で言うと、タックスヘイブンなどにある特定外国子会社の留保利益を親会社の利益と合算して、日本で課税する法律である。

 ここで言う「特定外国子会社」とは、内国法人等が発行済み株式の総数の50%超を直接および間接に保有する外国関係会社のうち、その所在国における所得に課される税(外国法人税)の負担が25%以下となるものを指す。このため、「26%であれば、この規定に抵触しない」との判断があったのだろう。

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