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上場する国境なき病院、海外患者は年43万

  • 此下竜矢

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2008年3月21日(金)

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 タイの株式市場について、日本のマスコミのインタビューを受ける時、必ず受ける質問がある。「タイの株式市場には何か特徴的な銘柄はありますか?」。この質問には必ず「病院です」と答えている。タイでは当たり前のことなのだが、日本の人からはまず「え、病院が上場!」と驚かれるからだ。

 日本では「病院が上場する」ということは、考えもつかない話なのだろう。いまだに保険診療と自由診療についてあれこれ議論がやまない状況を考えると、それも致し方ないだろう。人命を救うことが市場経済の中に組み込まれることを、感情論から拒絶する向きもある。

 そうした風土の中で、中進国のタイでは既に病院が上場している話を聞くと、一瞬、狐につままれたようになるのは当然かもしれない。今回は、タイの病院セクターの中で最大の、そして世界的な知名度を高めているバムルンラート病院(BUMRUNGRAD HOSPITAL PUBLIC COMPANY LIMITED、証券コードBH)を中心に、タイの病院セクターについて書きたい。

13の病院が上場

 タイの医療セクターには、バムルンラート病院を含め、13の企業が上場している(表)。1980年に設立されたバムルンラート病院は、89年にタイ証券取引所(SET)に上場している。

 バムルンラート病院の2007年の業績は、売上高が94億1300万バーツ(1バーツは3.2円で換算 約301億2160万円)、純利益が16億500万バーツ(51億3600万円)、時価総額235億バーツ(752億円)。ROE(株主資本利益率)は42%で、ROA(使用総資本当期利益率)が30.7%ある。

 バムルンラート病院は、上場している病院の中では、売り上げではバンコクドゥシットメディカルサービス(証券コードBGH)の188億8500万バーツ(604億3200万円)に差をつけられているが、純利益では4億バーツほど上回る。バンコクドゥシットメディカルサービスの売上高が大きいのはタイ東部を中心に病院チェーンを展開し、ここ最近もM&A(合併・買収)などで参加の病院数を増やしていることがある。

 バンコクドゥシットメディカルサービスは国内拡大路線に対し、バムルンラート病院は、顧客層を国内外の富裕層に絞るなど限定型の拡大路線を取っている。これが2つの病院の売上高と純利益の違いに表れている。

 改めてバムルンラート病院の特色を挙げると、まず国際性だ。

 同病院は、年間に100万人以上の外来及び入院患者を受け入れている。このうち43万人は世界190カ国からの外国人患者が占めている。医師の数は歯科医師、非常勤医師を含めると900人に上る。

 そのうち200人を超える医師が、米国での医師資格を保有している。そのほかにも、英国などのメディカルスクールなどに留学した経験者もいるなど、国際的な教育を受けた人が多い。

日本語ができる医師の
ジュン・スリマタンティポン氏

 BHは米国の代表的な病院認定機関で非営利団体のジョイント・コミッション・インターナショナル(JCI)の認定を2002年にアジアで初めて取得して、世界レベルの病院であると認定された。JCIの認定は2005年に更新している。

 JCIの認定を得るには350以上の項目を満たす必要があり、これを得ているということが、世界でも高いレベルの医療技術、サービス、衛生、スタッフを揃えているということの証明となっている。残念ながら、日本には今のところJCIの認定を受けた病院はまだない。

コメント3件コメント/レビュー

失礼ながら、「価格競争力」では、人件費を限度以上に削りまくった日本の医療機関にはかなうまい。この規模の患者数を、日本の病院では1/5-1/10のスタッフ数でさばいているのである。(2008/03/23)

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いただいたコメント

失礼ながら、「価格競争力」では、人件費を限度以上に削りまくった日本の医療機関にはかなうまい。この規模の患者数を、日本の病院では1/5-1/10のスタッフ数でさばいているのである。(2008/03/23)

以前タイ在住の方々のブログをみていると、外国人が多くいく病院はどうせ保険で払うんだからいいでしょうといった対応で検査投薬過剰気味の診療だったというお話を散見しました。タイへは20年前から長期短期ずいぶん行っていますが幸か不幸か病院へ行ったことがありませんので是非経験者の方のご意見を伺ってみたいと思います。(2008/03/22)

失礼ながら、タイでこのような仕組みを作っているということにまず驚いた。国民皆保険ゆえ、市場経済にはなじみにくいと考えられている病院(医療全体)だが、現在の膨れ上がる医療費を考えると、こうした方向を考えることはひとつの打開策になるに違いない。日本人のホスピタリティと職人的な仕事のていねいさをあわせれば、日本にもこうした先進的な「ホスピタル」を作ることは十分可能だろう。新しい産業にすらなるのではないか。そのためには、さまざまな規制緩和や制度改革が必要だろうが。経営と医療行為を完璧に分け、それぞれの分野のプロがその仕事に全力をあげているということが素晴らしい。今の日本の病院の非効率さと対応のまずさは、ここにこそ原因があると思えてならない。(2008/03/21)

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