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マレーシアを襲った「津波」の後

  • 竹島 慎吾

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2008年3月24日(月)

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 3月8日に実施されたマレーシアの総選挙において、アブドラ首相率いる与党連合は下院で過半数の議席を確保したものの、憲法改正に必要な3分の2を約40年ぶりに下回った。下院選挙と同時に実施された州議会選挙では、野党がアブドラ首相の出身地であるペナン州を含む5州で勝利するなど、与党は事実上の敗北を喫した。

 長らく安定が続いていたマレーシアの政局にどのような変化が生じているのだろうか。

 20年余り続いたマハティール政権から引き継いだアブドラ政権は、2004年3月に実施された最初の総選挙において、与党が全議席の約9割を獲得する歴史的な勝利を収めた。しかし、その4年後の今回の選挙では、絶対安定多数の3分の2議席を下回る歴史的な後退を喫した。

 アブドラ政権にとって、今回の選挙は前回よりも議席数を伸ばす「攻めの選挙」ではなく、政権の安定運営に必要な3分の2以上の議席確保を目指す「守りの選挙」であった。アブドラ政権誕生以降の経済パフォーマンスは、平均成長率が6.0%と良好であったが、近年、物価上昇やマレー系住民を優遇する「ブミプトラ政策」に対するインド系住民の不満の高まりを受け、今回の選挙は苦戦が予想されていた。

 しかし、これらの点を割り引いても、与党が下院で3分の2の議席維持を疑う声はほぼ皆無であった。今回の選挙結果は、現地有力紙The Sunday Starが「津波」と称したように衝撃的なものであった。

「変化」を求めた国民

 現地の政治アナリストであるオン・キアン・ミン(Ong Kian Ming)氏の分析によると、「津波」の主因は、華人、インド系など非マレー系の支持率が大幅に低下したことにある。アブドラ首相の支持率を見ると、直近の2007年12月調査で華人系、インド系の支持率が大幅に低下している。

アブドラ首相の支持率推移

 この背景には、2007年以降、非マレー系住民のマレー人優遇策である「ブミプトラ政策」に対する不満の高まりがある。特に近年、政治の実権を握るマレー人と経済力を有する華人との間に取り残されたインド系住民の不満が高まっている。

 2007年11月、クアラルンプールでインド系ヒンズー教団体ヒンドラフ(Hindraf)が、インド系住民の地位向上を求め1万人規模のデモを実施した。2008年2月には11月のデモで逮捕されたヒンドラフの指導者の解放を求め再びデモを行うなど、3月の総選挙前にインド系住民の不満は高まっていた。

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