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リヒテンシュタイン公国:
明かされるタックスヘイブンのベール

  • スティーブ・モリヤマ

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2008年3月27日(木)

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リヒテンシュタインの国旗

リヒテンシュタインの国旗

 スイスとオーストリアに囲まれた、アルプスの小国リヒテンシュタイン公国は、バチカン市国、モナコ公国、サンマリノ共和国に次いで、欧州で4番目に小さな国である。

 EU(欧州連合)には加盟せず、人口は3万5000人に過ぎないが、その存在はグローバルなビジネスを行う企業にとっては“大きな”存在だ。

リヒテンシュタインの地図

 その実態は、例えば登記された法人数が人口の倍以上を占め、人口の過半数を外国人が占めると言えば、想像できるかもしれない。純粋にリヒテンシュタイン国籍の者は、3分の1程度だという。

リヒテンシュタイン公国の概要

 具体的な経済指標で見ても群を抜く。1人当たりのGDP(国内総生産)は8万4300ユーロ(2005年)と言われ、これはEUに加盟する27カ国中のトップであるルクセンブルクを超える水準にある。

 王室を支えるリヒテンシュタイン家の資産規模も、欧州ではトップクラスにある。リヒテンシュタインは事実上、欧州最後の絶対君主制の国だ。ハプスブルク家の重鎮だったリヒテンシュタイン家の資産は、オーストリアの不動産などを中心に、推定50億ユーロにも上る。

 そのリヒテンシュタイン家の直系で、国家元首代行のアロイス皇太子は、寡黙な人柄で知られていたが、今年2月、「ドイツの小国いじめは、容認し難い」として、声を荒げて国際社会に抗議した。アロイス皇太子の怒りの背景には、ドイツ公安当局が2月に突如として行った発表がある。

独捜査当局が大金を払って入手した顧客名簿が発火点

 ドイツ公安当局は2008年初頭、リヒテンシュタイン最古の銀行の1つであり、アロイス皇太子の弟が頭取を務める、LGT銀行の顧客名簿を基に脱税者摘発に乗り出したと発表した。

 顧客名簿はLGT銀行の元行員に、ドイツ当局が420万ユーロを払って入手したもので、名簿には1400人の名前が列記されていた。そのうち半数以上がドイツ人で、調査開始から数週間で、150人以上を家宅捜査した。一連の脱税疑惑の渦中に巻き込まれてドイツ有数の企業であるドイツポストのツムビンケル社長は辞任に追い込まれている。

 脱税摘発によって、ドイツの課税当局は3000万ユーロ以上の追徴課税を行ったという。リヒテンシュタインにとって大事なのは、摘発がドイツにとどまらず、その他の国々にも波及していることだ。ドイツの発表後に、英国の捜査当局も密告者から情報を買ったことを明らかにした。さらに米国、オーストラリア、フランスなどの7カ国の当局も加わって、国際的な脱税調査に発展したのだ。

 リヒテンシュタインに海外から大規模な捜査の手が伸びたのは、同国がタックスヘイブン(租税回避地)であり、その在り方が世界の当局から注目されてきたからだ。

OECDからブッラクリストに入れられる

 911(米同時多発テロ)や米エンロン事件で、タックスヘイブンを舞台にした資金洗浄や不正会計事件が明るみになったことで、OECD(経済協力開発機構)やEUなどを中心に、タックスヘイブンに対して透明性の向上と国際協力の強化を求める動きが出てきた。

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