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スペイン:不動産バブルの崩壊と排他主義

  • スティーブ・モリヤマ

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2008年4月3日(木)

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スペインの国旗

スペインの国旗

 1970年代までは「欧州の田舎」と揶揄されてきたスペインは、86年のEU(欧州連合)加盟により、蛹(さなぎ)から蝶になった。潤沢なEU補助金を戦略的に使い、特に90年代後半からは劇的な飛躍を遂げた。

 しかも、2002年のユーロ導入後は、低金利と移民流入に支えられた空前の建設ラッシュと不動産価格高騰の波にうまく乗り、年平均4%のGDP(国内総生産)成長率を記録している。

スペインの地図

 実際、その後、EUに新規加盟した東欧諸国は、EU補助金を使ってインフラを整え急速な経済成長を遂げた、先輩スペインの成功方程式を懸命に模倣しながら、国の舵取りをしている。

 だが、そんな「勝ち組」の顔色が、最近芳しくない。

「勝ち組」からの反転

 スペインの不動産市場は、20%近い成長率を記録した2003年をピークになだらかに下降していったが、それでも最近まで年率平均7%程度で成長してきた。

 ところが、2007年に、国内不動産市場のバブル懸念と米国発のサブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資)問題のダブルパンチから、マドリード証券取引所上場のゼネコンや不動産関連株が急落し、先行き懸念が一気に高まった。

 ちなみに、米国のサブプライム問題の影響を今後最も強く受けると懸念されているのが、スペインとアイルランドである。両国とも、近年の急成長が、建設と不動産バブルに牽引されてきたからだ。

 特に、ここ数年新規住宅着工件数の伸びがEU加盟国中で最大だったスペインの不動産業界の冷え込みは著しく、不動産ディベロッパーは大量の売れ残り物件を抱えているという。

 スペインの銀行の貸出債権は、5割以上が不動産関連と言われ、その合計額は3000億ユーロにも上るという。40年から50年という長期住宅ローンを組む人が多いという点も特徴として挙げられよう。しかも、この10年で数倍にもなった不動産価格と比較して、個人所得はそれほど伸びていない。それでも、ラテン気質なのか、投機目的で不動産投資をする人が後を絶たないという。

 また、不動産を所有するスペイン人で、可処分所得に占める住宅ローン返済額の平均的な割合は、5割近いという。言うまでもなく、健全な状況は、その半分以下であるべきであろう。5割というのは、危険水域である。

不況になると顔を出す排他主義

 この国の経済を牽引する建設および不動産セクターの傾きは、自動的に失業率の上昇に直結していく。既に失業者数は230万人を超えており、その数は加速度的に増えている。

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牛島 信 弁護士