• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

ECBは利下げ困難に

“烏合の衆”にならないために物価の安定に邁進

  • 本多 秀俊

バックナンバー

2008年4月9日(水)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 3月31日、ハンガリー国立銀行は政策金利を0.50%引き上げた。つい3カ月前までは追加利下げが予想されていたハンガリーの目算は、どこで狂ったのだろうか。その狂いが、現在までに市場が織り込んだ欧州中銀による利下げ観測に示唆するものを検証する。

 ハンガリーの利上げは、「青天の霹靂」というわけでは決してなく、市場の予想は金利据え置きから0.25%もしくは0.50%の利上げと大きく割れていた。消費者物価の予想外の高止まりや、足元で進んだフォリント安などを要因に、将来的なインフレ期待が台頭してきたのが利上げ予想の根拠だった。こうした中で、ハンガリー国立銀は、予想し得る最大幅の利上げに踏み切った。

 しかし、つい3カ月前まで、ハンガリーがこのタイミングで利上げに踏み切ると見込んでいたのは、市場でもごく少数派だった。実際、半年前の2007年9月、ハンガリー国立銀が0.25%の利下げを実施した段階では、その利下げは、「まだまだ続く金融緩和の一環に過ぎない」と受け止められていたのだ。わずか半年足らずの間に、何が変わってしまったのだろうか。

目算と現実の狂い

 ハンガリーの追加利下げを見込む最大の要因は、一時的要因による物価急騰が、前年比で算出される物価をぐるりと丸1年押し上げる、いわゆる「ベース効果」にあった。ハンガリーの場合、具体的には、社会党政権が2006年9月に導入した財政緊縮策が、付加価値税(VAT)の引き上げや各種補助金の削減といったチャンネルを通じて、一気に物価を押し上げた。

ハンガリー物価と政策金利

 上の図はハンガリーの消費者物価と政策金利の推移を示したものだが、2006年9月以降、物価が急伸しているさまをはっきりと読み取ることができる。しかし、物価の上昇は一時的な要因によるものだ。その後、前月比での物価上昇が落ち着いた推移をたどれば、ちょうど1年を経過した時点で、前年比で見た物価の押し上げ効果も、消滅するはずだ。図はまた、2007年9月以降、前年同月と比較した物価が急速に減速しているさまも表している。

 そうして昨年6月、ハンガリー国立銀は、物価が政策誘導目標(3.0%±1.0%)を大幅に上回る状況にもかかわらず、利下げに踏切った。しかし、その後定着するはずだった物価の減速は、現実には長く続かなかった。食品価格の世界的な高騰、燃料価格の高止まり、さらにはフォリント安がもたらした輸入物価上昇も加わり、物価は想定外の下げ渋りを見せたのだ。

ユーロ圏の物価は落ち着くのか

 ハンガリーの事例がひときわ興味深いのは、年明け以降、市場が勢いをつけて織り込んでいったECB(欧州中央銀行)による利下げの見通しに、示唆するところが多いと考えるからだ。下図のようにユーロ圏の物価は、昨年10月以降急速な伸びを見せている。この物価急伸は、ハンガリーの「思惑」を狂わせた、まさに食品価格、燃料価格の急上昇が主因で、その点は、緊縮財政策が物価を押し上げたハンガリーとは異なる。

ユーロ圏物価と政策金利

コメント0

「Money Globe ― from London(本多 秀俊)」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

日本社会全体が寄ってたかって商品数を多くして、不必要に忙しくしています。

大村 禎史 西松屋チェーン社長