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バーナンキ議長に立ちはだかる2つの壁

  • 鈴木 敏之

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2008年4月16日(水)

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 「金融政策を、アートからサイエンスに近づけてほしい」

 FRB(米連邦準備理事会)のベン・バーナンキ議長は、2006年にFRB議長に就任した際に、ハーバード大学のマンキュー教授からこう求められた。

 天才の直感による金融政策は、それが当たれば幸いだが、外れた場合には大変な不幸になりかねない。マンキュー教授が意図したことは、科学的な政策運営が確立されれば、その心配は小さくなるし、政治からの圧力も排除できる、というものだろう。

 FRB議長に就任して、バーナンキ氏は、持論のインフレターゲット論をその手段として、金融政策の科学化という挑戦に取り組もうとした。しかし、今、この挑戦は2つの障壁に直面している。

雇用よりも物価、とはならず

 第1の障害は、持論のインフレターゲットへの抵抗である。

 インフレターゲットは、20カ国以上が採用し、経済を安定させている輝かしい実績がある。そのメカニズムも理論的解明を見ている。しかし、米国での採用には抵抗がある。米国の中央銀行の根拠法規である連邦準備法は、FRBに、物価安定と持続可能な雇用の最大化の任務を与えている。

 物価安定と雇用確保は、二律背反ではなく、物価安定を図ることが、雇用の拡大をもたらすという説得がなされている。しかし、政治の世界では、雇用より物価の安定を優先する考え方が支配的で、FRBはこうした発想を打ち砕くには至っていない。

 ここで、バーナンキ議長は高等戦術に出た。経済予測の提示期間を延ばして、3年とし、そこでインフレ予測を提示することで、インフレターゲットの数値目標を明示しないが、実質のインフレーションターゲット化を行った。

サブプライムに翻弄された金融市場に直面

 第2の障害は、金融市場の動揺である。

 この問題は、バーナンキ議長にとって、政治の抵抗よりもはるかに厄介であるに違いない。金融市場の動揺が、マクロ経済を不安定につながるのかという関係は定かでない。ブラックマンデー、LTCM(ロングターム・キャピタル・マネジメント)危機、911(米同時多発テロ)や2002年の企業会計スキャンダルによる市場の停滞も、米国経済の成長の屋台骨を揺るがしたとは言えないからだ。

 なぜ、サブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資)危機は、マクロ経済の悪化の原因になったのか。そのメカニズムの議論が深まったのは、ようやく最近のことである。現在、受け入れられている議論は、プリンストン大学のシン教授が、ウォール街の大手投資銀行のエコノミストたちと、まとめたものである。

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