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オバマ旋風で「大きな政府」復権?

有権者の支持を集める米民主党の伝統的路線

  • 安井 明彦

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2008年4月18日(金)

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 ペンシルベニア州の予備選挙(4月22日)が近づいてきた。民主党の予備選挙はバラク・オバマ候補優位で進んでおり、ヒラリー・クリントン候補は土俵際に追い詰められている。

 本選挙での対決を睨んだ共和党陣営は、オバマ候補の経済政策の「矛盾」を指摘し始めた。オバマ候補は党派対立を超えた融和の重要性を強調する。しかしオバマ候補の経済政策は、民主党の伝統的な「大きな政府」路線に過ぎず、「融和」の主張は具体的な政策と相容れないという指摘である。

 「大きな政府」という言葉は多様な定義が可能だが、経済への関与の度合いを切り口とするならば、オバマ候補は大きな政府の系譜に属する。典型的なのは税制だ。オバマ候補は税制の累進性を高め、財政による所得移転機能を強化する方針を打ち出している。

 具体的には、高所得層に関してはジョージ・ブッシュ政権が実施した減税を取りやめる一方で、中低所得層には年間約800億ドルの減税を実施するというのが同候補の提案である。昨今話題の金融規制についても、オバマ候補はかなり前からクレジットカード関連の規制強化を主張していた。

30年ぶりの方向転換か?

 1980年代のロナルド・レーガン政権(共和党)以来、米国の経済政策はおおむね小さな政府路線を維持してきた。新政権が大きな政府に舵を切るとすれば、約30年ぶりの方向転換になる。

 レーガン政権後の唯一の民主党政権であるビル・クリントン政権は、同じ民主党でもオバマ候補とは色彩が異なっていた。93年に発足したクリントン政権は、自立を重視した福祉改革など、政権後半にかけて中道寄りの姿勢を強めた。言い換えれば、クリントン政権下では、レーガン政権の小さな政府路線に大きな変更は加えられなかった。経済と政府の距離感という意味では、オバマ候補の経済政策にはクリントン政権より前の民主党に回帰するような雰囲気が漂う。

有権者主導の転換

 「矛盾」を解くカギは、有権者の動きにある。オバマ候補には、小さな政府を謳ってきた共和党の経済政策に嫌気が差した有権者が、大きな政府を容認する方向に動いているという認識がある。90年代の場合、米国の有権者は「中道からやや右」に位置しており、クリントン政権は中道に歩み寄らざるを得なかった。しかし、有権者の志向が変わっているのであれば、あえて中道に寄らずとも、オバマ候補は有権者の支持を得られる。

 言い換えれば、オバマ候補にとって、経済に関する政府の役割を再認識するという提案は、有権者の思いをすくい上げる行為にほかならない。こうしたオバマ候補の発想が垣間見えるのが、政策転換の先輩であるレーガン政権への評価である。オバマ候補はレーガン政権が米国を「根本的に違う路線に導いた」としたうえで、それが可能になったのは「有権者の準備ができており、(レーガンが)人々が既に感じていたことを取り上げたからだ」と指摘する。

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