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ドル安一服の陰に人民元

  • 本多 秀俊

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2008年5月14日(水)

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 4月11日、ワシントンで開催されたG7(7カ国)財務相・中央銀行総裁会議が、今になって為替市場の脚光を浴びている。ドルが本格的な復調の可能性を示してきたからだ。

 ドル復調の模様は、5月8日付の英フィナンシャル・タイムズ紙で報道された。同紙の1面トップでは、「ドル押し上げで欧米協調」とした見出しが踊った。4月のG7において、欧米の金融通貨当局の思惑がドル安阻止で一致したことが、あたかも足元のドル高ユーロ安進行の背景にあるかのような印象を与えている。

 実際、4月22日に1ドル1.6020ユーロの史上最高値まで上昇した相場は、5月8日までに、高値から4.5%超反落し、1ドル1.5285ユーロの戻り安値をつけた。

 G7が為替調整に「無力」と言われて久しい中で、今回、G7が為替市場の注目を浴びているのはなぜか。それは今回のドル安抑制のカギを握るのは人民元の動向で、人民元がドルに対して上昇していたのが、G7後にピタリと収まった。こうした状況から為替市場では、G7が中国の為替政策に影響力を発揮したためという見方が生まれている。

「ギア3」から「ニュートラル」に

 最近の人民元の“変調”の様子は下の図に示している。図はドル固定相場制廃止以降のドル/人民元の為替相場推移を示したものだが、ご覧の通り、昨年11月のフランスのサルコジ大統領の訪中以降、人民元は対ドルでの上昇速度を一段と加速、「ギア3」とも呼ぶべき年率17%前後の速度で上昇を続けていた。その上昇が、4月のG7に前後してぱたりとやんだのだ。

ドル/人民元の推移

 ちょうど2年前、同じワシントンで開かれた会合で、G7は初めて中国を名指し。以来、「為替レートの一層の柔軟性」の大儀の下、G7は一貫して中国に人民元の切り上げ速度加速を求めてきた。人民元の上昇を人工的に抑制するためドルを買い支え続ける中国通貨当局を、事あるごとに非難し、「為替操作」をやめて市場の自由な値動きに任せるよう促してきた。

 一方の中国側は、このG7から与えられた宿題をきちんとこなし、3段階にわたって人民元の上昇速度を切り上げてきていた。こうした状況から為替市場では、今回の局面でも当局による「為替介入はない」という判断が大方を占めていた。これまで散々中国を非難し、中国に圧力をかけてきたG7が、「どの面下げて、今さらドル買い介入などできるものか」と考えたからだ。

四方(ドル、ユーロ、円、人民元)八方(G7各国+中国)丸く収める方法

 ただし、ここに1カ国だけ、G7に対し「ドル安誘導もいい水準まで来た。そろそろ一服しましょうよ」と切り出せる国があった。もちろん中国のことである。

 G7が表立って、「対人民元のドル安はいくらでも好ましいが、対ユーロでのドル安はこれ以上受け入れられない」などと言い出せば、それは、手前勝手なご都合主義だと批判され、後世に汚点を残すかもしれない。ここは、中国の意を汲んで人民元高誘導(=ドル安誘導)を小休止させた格好にしておけば、四方八方丸く収まる。

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