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スイス:
“有害税制”の是正に見る永世中立国の岐路

  • スティーブ・モリヤマ

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2008年5月22日(木)

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スイスの国旗

スイスの国旗

 スイスと言えば、豊かな自然、国際機関、永世中立国、銀行の秘密口座が思い浮かぶ中で、意外と知られていないのが税制の優遇措置だ。

 スイスは連邦制の下、26の州(カントン)と2889もの市町村(ゲマインデ)で構成される。連邦政府のみならず、各自治体も課税権を持っており、税金は連邦、州及び市町村の3つの行政レベルで課されることになる。

 「3段階課税」というと、実効税率は高くなるような印象を受けるのだが、一部の州(及び市町村)では、非常に低い税率を売り物にしており、3つ合わせた個人所得税の実効税率は平均でも20%前後、中には15%程度の州もある。各州はそれぞれ独自性を出して差別化競争を展開している。

テーラーメードの税制に引かれ、海外の富裕層が移住

スイスの地図

 例えば外資誘致に熱心な州や市町村は、その個人に適した税制を適用するテーラーメード型の税率を課す例もある。実際、モータースポーツの最高峰、F1(フォーミュラーワン)の帝王ミハエル・シューマッハやスウェーデンの家具チェーンIKEAの創業者など、高税率国出身の大富豪が個別の税務裁定措置を州の税務当局から受け、この国に移住してきている。統計では、そのような「重税避難民」とも言うべき富裕層の数は4000人にも上り、税収は4億スイスフランを上回るという。

 個人にかかる税だけではない。法人税についても、タックスホリデーと呼ばれる10年間の免税措置をはじめ様々な優遇措置を設けており、節税プランニングの観点から、欧州地域統括会社や世界本社をスイスに移転する会社は少なくない。直近では、米ヤフーの欧州地域統括会社がスイスに移転すると報道されている。

 こうした優遇措置を講じられるのは、永世中立国として政治や経済面で、独自性を保持してきたからとも言える。スイスはEU(欧州連合)にも加盟していない。

 もっともEUの前身であるEEC(欧州経済共同体)に対抗して1960年に設立されたEFTA(欧州自由貿易連合)には加盟しているが、スイスらしいのはEFTAが94年に作ったEEA(欧州経済領域)には、国民投票によって非加盟となっている。EEAでは域内関税同盟を結んでいないのだが、基本的にEUと同様、ヒト・モノ・カネの自由な移動が保証されている広域経済圏だ。

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