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米国は排出量取引制度に踏み込めるか?

議論は始まったが消費者の説得は容易ではない

  • 安井 明彦

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2008年5月23日(金)

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 米国で、排出量取引制度の導入に関する議論がにぎやかになってきた。大統領選挙の各候補者は、党派を問わず制度導入に前向きである。米議会でも、関連法案の審議が進んでいる。論点は制度設計の具体論に移ってきたが、有権者に「エネルギー価格の上昇」に対する理解を求める努力は遅れがちだ。

明らかに風向きが変わった

 米国では、温暖化対策に関する風向きの変化を象徴する2つの出来事が続いている。焦点は「排出量取引制度」の導入だ。

 第1は、共和党のジョン・マケイン上院議員による提案である。共和党の大統領候補指名を確実にしているマケイン氏は、5月12日の演説で排出量取引制度の導入に向けた私案を明らかにした。既に昨年10月に具体案を明らかにしている民主党のバラク・オバマ上院議員と併せて、次期大統領を争う2人の候補者が、具体論にまで踏み込んで、排出量取引制度の導入を公約した格好だ。

 第2に、米上院が排出量取引制度の導入を盛り込んだ法案(提案議員の名前からリーバーマン・ワーナー法案と呼ばれる)を、6月上旬に本会議での審議にかける予定になった。同様の法案は過去にも提案されていたが、委員会での採択を経て本会議に駒を進めたのは、この法案が初めてだ。

 温暖化対策に消極的なブッシュ政権の存在を考えると、今年中にリーバーマン・ワーナー法案が成立にこぎ着ける可能性は必ずしも高くない。しかし、最近の米議会と大統領候補の動きは、来年誕生する新政権の下で排出量取引制度の議論が大きく前進する可能性を示唆している。

「中身」の議論が進む

 潮目の変化は、議論の焦点が具体的な制度の中身に集まってきた点にも感じられる。世界的な動向からすれば今さらの感もあるが、米国では数年前まで温暖化問題そのものが存在するのかどうかが議論されていたことを考えれば大きな変化である。

 中心的な論点の1つは、排出枠の初期配分である。排出量取引制度の下では、政府が二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスの「総排出量」を定め、これに相当する「排出枠」を設ける。温室効果ガスを排出する企業には、排出権の獲得が求められる。排出権の販売や購入は市場を通じて実施されるが、その市場を設置する前段階として、まず当初の排出枠を配分する方法を考えなければならない。

 具体的な方法としては、

(1)過去の排出量などを基準に企業に排出枠を無償で配分する
(2)オークションによって販売する

という2つの方法が考えられる。マケイン候補は、当初は無償配分とオークションを併用し、次第にオークションの比重を増やしていくべきだと主張する。これに対してオバマ候補は、当初からすべての排出枠をオークションにかけるべきだという立場である。

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