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食糧危機、短期的な価格ピークは今年

  • 竹島 慎吾

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2008年5月26日(月)

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 世界経済は米国のサブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資)問題に端を発した金融危機の渦中にあるが、目下、食料価格の高騰という新たな課題に直面している。国連は現在の食糧を取り巻く状況を、「静かな津波」と称し、忍び寄る食糧危機への警鐘を鳴らした。とりわけ、所得水準が低いアジアなどの新興国にとっては、サブプライム危機よりも食糧危機の方が深刻な問題と言える。

 食料価格は需給要因に加え、天候や農業政策の変更など自然・政策要因にも左右されることから変動が大きい。過去の主な価格高騰は、

 (1)1972~74年の世界的な天候不順や石油危機
 (2)80年の米国の熱波等の異常気象
 (3)88年の米国大干ばつ
 (4)95~96年の東南アジアの洪水や米国の天候不順
 (5)2003~04年の米国、カナダ、豪州の干ばつと欧州の猛暑

と7~8年ごとに発生しており、天候不順が引き金になることが多い。

 今回の価格上昇の起点は2006年で、豪州の干ばつが引き金と考えられているが、今回の局面は、

 (1)2006年から足元までの上昇率が7割を超えていること
 (2)特に2008年第1四半期の上昇率が前年比4割近くに達し

小麦、大豆、トウモロコシ、コメなど主要品が軒並み最高値を更新していることなど、まさに高騰局面と言うべき状況にある。

世界的な需要拡大が価格を押し上げ

 今回の高騰の背景には、歴史的に見ても需給が逼迫していることが要因である。2007年の穀物在庫率は15.0%と深刻な食糧危機が生じた1970年代初頭の水準まで低下、FAO(国連食糧農業機構)が定める17~18%という安全在庫水準を下回っている。

世界の穀物在庫率

 需給が逼迫する中、供給不足に備え食糧備蓄を積み増す国が増加するなど、在庫積み増し意欲の高まりが仮需要を発生させ、足元の価格上昇を加速させたと言える。需給が逼迫している背景には、生産の伸び悩みという供給面の要因もあるが、世界的な需要増加という需要面の要因がより大きい。

 まず、需要面を見ると、

 (1)人口増加や所得向上を背景に中国やインドなど新興国の需要が拡大していることに加え、
 (2)環境意識の高まりにより、バイオ燃料向けなど工業用需要が急増している。

 FAOによると、2000年以降の穀物消費量は、食用の伸び率が4%であったのに対し、工業用は25%以上伸びた。現在、バイオ燃料向けに消費される穀物は年間約1億トンに上る。米国のトウモロコシ消費量のうち、バイオ燃料向けが占める割合を見ると、1998年の7%から2007年には30%へ大幅に上昇している。

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