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法人税引き下げが米大統領選の争点に

国際競争激化に対応、優遇税制は大幅見直しへ?

  • 安井 明彦

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2008年6月20日(金)

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 米国の大統領選挙で、共和党の指名獲得を確実にしているマケイン候補。その経済政策の中でも異彩を放つのが、法人税率の大幅な引き下げである。マケイン候補は、連邦法人税率を現行の35%から25%へと引き下げるよう提案している。

 有権者の暮らしに対する不安感が高まる中で、ただでさえ大企業寄りとの批判を受けやすい共和党の候補が、あえて法人税減税を主張するのは、選挙戦略としては奇異に映る。

 しかし、視線を米国以外の先進国に向けると、企業の税負担軽減論は決して異端ではない。むしろ、グローバリゼーションが深化する中で、先進国の間では、国際競争力の観点から法人税制の見直しを検討する動きが広がっている。

ドイツは法人税率大幅下げを断行、英国、日本でも議論進む

 ドイツは今年から連邦法人税率を25%から15%に引き下げた。英国では、多国籍企業の本拠地としての強みを維持する狙いから、企業の海外収益に関する課税ルールの簡素化が検討されている。日本でも、経済界を中心に、法人税の引き下げを求める声は根強い。

 米国でも、法人税率の引き下げを主張する意見は、共和党に限られているわけではない。昨年10月には、民主党のランゲル下院議員が、連邦法人税率を30.5%に引き下げるとの内容を含んだ税制改革案を発表している。ランゲル議員は、税制を管轄する下院歳入委員会の委員長を務める有力議員である。

 興味深いことに、民主党のオバマ候補が6月中旬に新しく経済アドバイザーに選んだブルッキングス研究所のジェイソン・ファーマン氏は、かねてからランゲル議員の改革案を支持している。こうした経緯もあってか、オバマ候補自身も、最近のウォールストリート・ジャーナル紙のインタビューで、ランゲル案に沿った内容での法人税引き下げを実施する可能性を示唆している。

 米国で法人税の引き下げが党派を超えて支持されている背景には、米国の法人税率の高さがある。米財務省が昨年12月に発表した報告書によれば、地方税を含めた米国の法定法人税率(39%)は、OECD(経済開発協力機構)諸国の中では日本(40%)に次ぐ2番目の高さである。同じ先進国でも、英国の税率は30%、OECD平均は31%となっている。

 米財務省は、国際的な資本移動が活発化する中で各国は国際競争上の圧力から法人税率の引き下げに動いていると指摘し、米国もこうした動きに乗り遅れるべきではないと主張している。企業の税負担を軽減し、投資先としての米国の競争力を維持する必要があるというわけだ。

すべての優遇税制を廃止すれば連邦法人税は28%まで下がる

 もっとも、米国が法人税率の引き下げに動くには、課税ベースの拡大という、避けては通れない論点がある。米国の法人税には、研究開発優遇税などの様々な優遇税制が組み込まれている。こうしたこともあり、経済規模対比で見た米国の法人税収は、法律上の税率の高さにもかかわらず、OECD諸国の平均を下回っている。

 米国では、法人税率を引き下げる場合には、同時に優遇税制を整理して、課税ベースを拡大すべきだという意見が少なくない。理由は2つある。

 第1に、経済全体の効率性を考えるのであれば、税率だけではなく税の構造に着目する必要がある。優遇税制には、特定の企業活動を有利にするなど、経済活動を歪ませる側面がある。また、税制の複雑化が、企業による納税コストを膨らませることも見逃せない。

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