• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

株主民主主義が確立される日は来るのか

2008年6月23日(月)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 機能する民主主義に不可欠な要素は何か。いろいろあるが、基本中の基本は、有権者が立候補者の顔ぶれやマニフェストの中身を見てきちんと投票できるかどうかだろう。

 同じことは株式会社についても言える。総選挙に相当する株主総会で株主がきちんと投票できるかどうかが「株主民主主義」の基本中の基本になる。これが守られていなければコーポレートガバナンス(企業統治)の土台が揺らぐ。

 日本は今、株主総会シーズンのピークを迎えている。かつての「シャンシャン総会」は減ってきたとはいえ、「きちんと投票できるかどうか」の基準で見ると、現状はお寒い限りだ。お世辞にも「株主民主主義」とは呼べない。

 代表例は総会の集中だ。一般には「総会開催日の分散化が進み、より多くの株主が総会に参加できるようになった」と言われている。確かに、特定日への集中は年々低下しており、今年の特定日(6月27日)では集中度合いが初めて5割を切る見通し。

 しかし、株主に経営者の声を生で聞いてもらうことは総会の最重要目的ではない。総会は株式会社の最高意思決定機関だ。つまり、総会の最重要目的は、会社にとっての最重要事項を決めることである。最重要事項は通常は取締役の選任であり、そこでカギを握るのは株主による投票、言い換えれば議決権行使だ。

問題は、特定日よりも特定週

 株主投票の観点からすると、問題なのは特定日ではなく特定週への集中だ。今年の特定週はいつなのかというと、まさに今週である。東京証券取引所第1部上場企業のうち今週に総会開催予定なのはほぼ7割であり、集中度合いはほとんど低下していない。

 機関投資家の間では「特定週への集中がなくならない限り、まともに議案に目を通す時間的余裕がない」と言われている。上場株に幅広く分散投資する機関投資家の場合、6月だけで東証1部上場ベースで1300社以上から議案を受け取る。1社当たり5議案程度あるから、分析すべき議案数は6000を超えるわけだ。

 しかも、議案を受け取ってから分析し、返送するまでの期間は平均するとわずか3日程度。多くの企業がぎりぎりになるまで議案を名義上の株主である信託銀行へ発送しないためだ。ピーク時には機関投資家は1日当たり数百もの議案について賛否を決めなくてはならず、議案の中身がよく分からなくてもいちいち企業に問い合わせる時間もない。

 そんなわけで、例年、総会の集中週がやってくると、まじめに投票しようとする機関投資家の担当者は悲鳴を上げる。紙の山に埋もれながら、個々の議案に賛否を書き込むだけで連日の徹夜作業になることもある。ちなみに、議案書が入った封筒を開けるだけでも大仕事で、そのためだけにアルバイトを雇うところもある。

ネット時代でも、紙で投票が常識

 「超多忙の総会シーズンに『封筒を開けて、賛否を書き込む』とは紙ベースという意味? インターネットの時代に時代錯誤では?」という疑問もわいてこよう。実は、あまり世間的には注目されていないが、総会の電子化は救い難いほど遅れている。

コメント9

「牧野洋の「世界の常識・日本の非常識」」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

人は何か自信を持って誇れるものを持っているはずです。

為末 大 元プロ陸上選手