• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

ECBの路線転換に潜む3つのリスク

  • 服部 哲郎

バックナンバー

2008年6月25日(水)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 ECB(欧州中央銀行)が、7月に利上げに向けて動き出す。トリシェECB総裁が6月5日の定例理事会後の記者会見で、時期を明示して利上げの可能性に言及した。市場では、6月のECB定例理事会以前から、利下げ期待が後退し、年内利上げの可能性を織り込む動きが見られていた。しかし、総裁自ら事実上利上げを予告したことは、市場にとって大きなサプライズになった。

 景気減速傾向が強まる中で、ECBが利上げ実施に踏み出す要因には、ECBが注目している期待インフレの高まりに対する懸念が指摘される。ECBが期待インフレとして注視しているのが、国債とインフレ連動債の利回り格差で示されるブレークイーブン期待インフレ(BEI)だ。このBEIが上昇している(図)。

フランスのインフレ連動債に基づくユーロ圏の期待インフレ

 4月末に筆者がECBにヒアリングを実施した時には、金融市場の混乱から、BEIの上昇が、期待インフレの高まりを反映しているのか、あるいは、金融市場の混乱に伴う一時的な動きなのか、拙速な判断は控えるべきであるとの立場であった。同様の考え方はECBの「マンスリー・ビュレティン2008年4月号」でも示されている。

 しかし、足元で、BEIは明らかに上昇している。ECB首脳は、1970年代の石油危機当時、欧州各国がインフレ抑制で後手に回り、長期の景気低迷に苦しんだ経験を共有していると言われており、期待インフレの高まりを座視できないマインドが強く働いたと見られる。

ユーロ圏の消費者物価は今年、来年と2%を上回る

 また、ECBスタッフによる経済見通しも、金融政策発表と共に公表された。その内容は、

 (1) 原油、食品などの価格上昇からユーロ圏の消費者物価(HICP)上昇率が従来の予想以上に長期にわたって高止まりし、その減速は2009年に入ってからとなる、

 (2) ユーロ圏景気は、減速傾向を強める、である。

 HICP上昇率は5月に前年同月比3.7%に上昇したが、エネルギー、食品価格の上昇を反映して、2008年予想を3月時点の同2.6~3.2%から同3.2~3.6%へ、2009年予想を同じく同1.5~2.7%から同1.8~3.0%に上方修正した。中央値を取ると、2008年予想が同3.4%、2009年予想が同2.4%となり、2%未満でかつその近傍というECBのインフレ目標を大幅に上回る見通しである。

 一方、ユーロ圏の実質GDP(国内総生産)成長率に関しては、暖冬のために好調であった今年1~3月期(前年同期比2.4%成長)を考慮して、2008年予想を3月時点の前年比1.3~2.1%から同1.5~2.1%に予想レンジの下限を上方修正した。

コメント0

「Money Globe ― from London(服部 哲郎)」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック