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次の火種は中小金融機関?

どこまで続く米国発信用不安

2008年7月16日(水)

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 今週早々、世界に向けて発信された米国の信用不安対策に、株式市場はいまだ揺れている。

 米政府支援機関(GSE)である住宅金融専門会社の連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)、連邦住宅抵当公社(ファニーメイ)の発行する債券であるエージェンシー債(政府保証があると見做される公共機関の発行する高格付債)は、世界中の金融機関、投資家が保有している。海外の中央銀行の外貨準備にも大量に組み込まれている。米金融当局が緊急支援策を発表せざるを得ない状況にあった。

 週明けの14日にはフレディマックの短期エージェンシー債の借り換え発行が予定されていたからだ。この借り換えに仮に問題が生じれば、海外の中銀が動揺してエージェンシー債が投げ売られることになる。それはドルの信認を揺るがすことになり、それによって世界中が深刻なパニックに襲われる危険性があった。

 幸い14日に行われたフレディマックの定例の短期債の借り換え発行は、米当局の対策が奏功したのか、順調に市場で消化された。積極的な応札が見られ、3カ月物の応札倍率は4.16倍(年初からの平均は2.9倍)、6カ月物は3.73倍(年初からの平均は2.7倍)だった。

 最悪の事態が生じるのは避けられたが、両公社の財務内容を考えると楽観できない状況は続いている。それが、マーケットの動揺を収めきれないのだろう。

 加えて言えば、今回の対策を含めて一連の米国のサブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資)問題で投じられてきた金融政策によって、FRB(米連邦準備理事会)の資産の健全性などにしわ寄せが来ている。それが金融政策の舵取りに影響を与え、金融不安の払拭とインフレ対策の両面で、機動的な対策を講じられなくなる懸念もマーケットにはあるのだろう。

 仮にFRBがファニーメイとフレディマックの資金繰りを救済することになった場合、FRBのバランスシートでは何が起きるのだろうか。今年7月9日のバランスシートの状況を認識するために、約1年前(2007年7月11日)のそれと比較しながらポイントを整理してみよう。

FRB、資産の額はさほど変わらなくても、質は大きく変化

 現時点のバランスシート全体の規模(8998億ドル=約95兆円)は、前年比3%の微増にとどまっている。平時の増加ペースと変わらない。負債における準備預金(民間金融機関がFRBに開設している預金口座の残高の合計)もほとんど変わっておらず、平時の残高のままである。

 FRBは金融システム危機を和らげるために、昨年来、日本円に換算して数十兆円規模の巨額の資金供給策(流動性対策)を実施してきた。単純にイメージすれば、それはFRBの資産サイドを膨張させると同時に、負債サイドの準備預金を増大させることになる。FRBが金融機関に資金を供給する際は、金融機関のFRBの口座に資金が振り込まれるからだ。

 しかし、上述のように、準備預金は増えておらず、バランスシートの規模も平時のペースでしか増えていない。なぜなのだろうか?

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「次の火種は中小金融機関?」の著者

加藤 出

加藤 出(かとう・いずる)

東短リサーチ社長

1965年生まれ。88年4月東京短資入社。2013年より現職。国内外の短期金融市場の現場の視線から金融政策を分析している。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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