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株主責任を問う国と問わない国

2008年7月22日(火)

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 どんな救済策が取られようとも、ファニーメイとフレディマックの株主が救われることはない――。米国のヘンリー・ポールソン財務長官が13日に両社への救済策を発表して以降、ニューヨーク株式市場ではこんな観測が強まっている。

 ファニーメイは連邦住宅抵当公社、フレディマックは連邦住宅貸付抵当公社のことだ。米国の住宅市場の要であるため、信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題の直撃を受けている。「公社」という言葉からは政府系金融機関が連想されるが、両社は株式を公開する100%民間企業だ。

 両社の株主を安易に救済すると、モラルハザードを招きかねない。市場の観測に従えば、ポールソン長官は「公的資金を投入してでも金融システムを守る必要があるが、個別金融機関の株主を守る必要はない」と考えているはずだ。

 それを反映してか、ファニーメイとフレディマックの株価は急落。7月第2週だけでほぼ半値に値下がりしたばかりか、救済策の発表を受けた14日の取引でも一段と下げた。株主が救われないとすれば、万が一にも経営破綻した場合には株主の持ち分はゼロ、言い換えれば株式が紙くず化すると想定できるためだ。

 事実、救済策発表を受けて、ゴールドマン・サックスのアナリスト、ダニエル・ジマーマン氏は「株主が救済されない」を理由に、ファニーメイとフレディマックの投資評価を見直した。ファニーメイ株は18ドルから7ドルへ、フレディマック株は17ドルから5ドルへ一気に引き下げた。

強大な権力を持つ株主の権利保護は、債権者より劣後する

 では、破綻時に株主が救済されないとすれば、何が救済されるのか。

 米財務省による資金繰り支援など政府の支援手段は様々だが、究極的には債権者だ。ファニーメイとフレディマックの両社が発行した債券や保証した住宅ローン担保証券は総額5兆ドル(約530兆円)に達し、このうち1兆5000億ドル(約160兆円)以上が日本の銀行も含めた海外の投資家に幅広く保有されている。これらの投資家がファニーメイとフレディマックの債権者だ。

 仮にファニーメイとフレディマックが債務超過に陥り、デフォルト(債務不履行)宣言すると、債権者は元本を回収できなくなる。ファニーメイ債とフレディマック債は米国債とほぼ同等の信用力を得ていただけに、デフォルトとなればドルの信認が揺らぎ、世界的な信用不安が一段と加速するのは必至だ。だからこそ債権者の保護は重要になる。

 そもそも、破綻時の財産返済順位で、株主は債権者よりも劣後している。最高意思決定機関の株主総会で経営者を選ぶなど、債権者とは比較にならないほど強力な権限を持っているからだ。会社が成長すれば無限のリターンも手に入れる。

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