洞爺湖サミットに合わせて開催された主要排出国会議では、G8諸国にブラジル、中国、インド、インドネシア、南アフリカ共和国などの16カ国が参加し、温暖化ガスの削減について議論された。しかし、削減の数値目標導入の必要性を主張する先進国に対して、ブラジル、中国、インド、インドネシア、南アフリカなどの新興国は、排出量の枠設定に対する警戒感が強く、先進国と新興国間の意見の相違が目立った。
今後も国連と主要排出国会議で、2013年以降のポスト京都議定書の枠組みに関して協議が続けられる。意見の相違はあるものの、地球温暖化対策が喫緊の課題であるという問題意識は、先進新興主要国の間で共有されている。欧州をはじめとする先進国だけではなく新興国も、環境問題への意識の高まりに加えてエネルギー価格の高騰もあり、再生可能エネルギーの拡大を急いでいる。
2007年の風力発電能力、インドは4位、中国は5位
例えば、風力発電を例に取ると、世界の風力発電能力(設置ベース)は、2007年末に94.1ギガワット(ギガは10億)と前年比27%増となった。先進国だけではなく、新興国でもインドが前年比28%増で世界第4位、中国は同132%増で同第5位となっている。
温暖化ガス削減に関する先進国と新興国の議論は噛み合っていないものの、政策面、エネルギー確保の観点から再生可能エネルギーに追い風が一段と強まっている。また環境対策で主導権を取ろうとしている欧州では、EU(欧州連合)が地球温暖化ガス削減の数値目標導入に前向きで、EU内の数値目標を掲げている。
その骨子は、
(1)EUの同ガス排出量を2020年までに1990年比で20%削減する、
(2)EU内のエネルギー消費に占める再生可能エネルギーの比率を2005年時点の8.5%から2020年までに20%に引き上げる、などである。
実態に合わせた対策を打ち出す欧州
この目標を達成する具体策として、EUの行政執行機関である欧州委員会は2008年1月に温暖化対策包括案を発表し、排出権取引制度の改善、長期的な技術開発(CCS=二酸化炭素の回収・貯蔵)、再生可能エネルギーの拡大を打ち出した。
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1960年東京都大田区生まれ。1983年早稲田大学政経学部卒業。造船会社、証券会社を経て2000年、野村證券入社。金融研究所投資調査部を経て、2002年から現職。日本証券アナリスト協会検定会員。






