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個人から始める“持続可能社会”を目指す投資術

  • 内藤 眞弓

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2008年7月29日(火)

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 私たちが日々の暮らしのために買い物をするという行動は、その商品にかかわる流通業者や製造業者にお金を流すことです。ある製品を気に入ってリピーター購入することは、それらの人々の暮らしを支えることにつながります。

 また、手持ちのお金を銀行に預けることは、銀行を通して企業に投資をしたり、有価証券に投資をしたりすることですが、どこに投資するかは私たちの意志とはかかわりなく決定されます。

 株式や債券に投資することは、発行体である企業や国などに直接自分のお金を回すことで、これは自分の意志で決定できます。お気に入りの製品を作っている企業の株式を買うことは、その企業に出資をして応援をするということです。

「意志あるお金」が持続可能社会を構築する

 自分のお金の行く先が、現在のそして将来の社会に対してどのような影響を及ぼすのかを意識した貯蓄行動が、持続可能な社会に欠かせない視点だと思われます。欧米では古くから社会責任投資(Social Responsible Investment)という考え方がありましたが、最近ではSocialに代わってSustainability(持続可能性)に力点が置かれるようになっています。

 「意志のあるお金」が持続可能な社会を構築するとの考え方で、欧米の機関投資家、特に年金基金はSRI市場の中核的な投資家です。日本のSRI市場は個人投資家向けの投信が中心で、大きく後れを取っているのが現状です。2006年4月、国連グローバルコンパクトと国連環境計画金融イニシアチブが責任投資原則(PRI)を共同策定し、年金基金、運用会社、情報サービス提供機関が署名できることになっていますが、2008年6月時点で381機関が署名し、総資産は14兆ドル。日本で署名しているのはわずか13機関です。

持続可能社会に向けて行動する機関投資家

 PRIの前文には、機関投資家には受益者のために長期的視点に立ち、最大限の利益を追求する義務があり、その役割を果たすうえで「環境の問題・社会の問題・企業統治の問題」(Environment・Social・Governance:ESG)がパフォーマンスに影響を及ぼす可能性がある旨が掲げられています。そして、以下の「PRI6原則」にコミットメントすると宣言しています。

1. 投資分析と意思決定のプロセスにESGの課題を組み込む
2. 積極的な株式所有者となり、株式所有方針と株式所有習慣にESG問題を組み込む
3. 投資対象に対して、ESGの課題についての適切な情報開示を求める
4. 資産運用業界において本原則が受け入れられ、実行に移されるよう働きかける
5. 本原則を実行する際の効果を高めるために協働する
6. 本原則の実行に関する活動状況や進捗状況に関して報告する

 この原則に基づいて、海外の機関投資家の間で、時価総額を考えれば外すのには勇気がいるが、日本の有名なグローバル企業を投資対象から外す動きが表れ始めています。この企業は環境への取り組みは熱心ですが、労働問題においてよくない評価を受けており、長期的な視点に立つとリスクが高いと判断されたようです。

日本では機関投資家より先に個人が動き始めた

 「環境を大切にする消費者」といった意味合いのグリーンコンシューマーという言葉があります。商品を購入する時に、価格や性能などだけではなく「環境にやさしいか」との視点を加えようというものです。日々の買い物を通じて、環境に配慮した商品を生産する企業や、その商品を販売する業者などを支援することにつながります。

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三品 和広 神戸大学教授