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米国経済に埋め込まれた時限爆弾

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2008年8月5日(火)

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 米議会は、サブプライムローン(米国の信用力の低い個人向け住宅融資)問題で財務リスクの高まった米住宅金融会社のファニーメイ(米連邦住宅抵当公社)とフレディマック(米連邦住宅貸付抵当公社)に対して、支援のための包括法を可決した。ブッシュ大統領も署名し同法は成立した。この新法は、米経済にどのような影響を与えるのか。

 住宅公社支援法案は、非常に複雑だ。だが米議会は、広範囲にわたるこの法案の内容について、十分に審議しないまま通過させた。この支援法にかかる財政コストがいかほどか、この法案によってどの程度住宅市場が回復するのか、あるいはこの政策をいずれ後悔することになるかどうかは、不透明なままだ。

青天井の融資枠

 法案の内容で最も重要なのは、この法案により、財務省の両社への融資枠が22億5000万ドルから「支払い能力を維持するのに必要なだけ」、つまり「無限」になることである。前回述べたように、2公社が保証している住宅ローンの残高は、5兆ドルを超え、そのうちの10分の1でも負担が生じれば、財務省は巨額の負担を迫られ、財政赤字が倍増しかねない。

 米議会予算局(CBO)は、資本注入額は最低ゼロから最大1000億ドルになる可能性があると試算している。同局の最終的な推計は250億ドルだが、いかなる推測も全く根拠のない「推理」に過ぎず、住宅公社支援法は間違いなく未知への扉を開けてしまった。

 米政府はさらに、公社対策とは別に最大3000億ドルを使うことになる。住宅ローンの借り手救済策として、借り手の収入が基準以下で、貸し手がローンの10%の債権放棄に応じれば、差し押さえの危機にある住宅のローン支払いを政府が保証する。これまた、保証枠がどれくらい使われるか全く分からないし、こんな政府保証の条件ではほとんどの借り手にとっては何の魅力もないので、彼らは差し押さえの方を選ぶかもしれない。

国家財政を破綻させかねない

 それでもまだ不十分であるかのように、今回の法案には、(7500ドルまでの)住宅購入者への税額控除も盛り込まれ、おかげで政府の税収が減ることになった。その結果、議会は政府の債務限度額9兆8000億ドルを10兆6000億ドルに引き上げることになるだろう。

 こうした国家財政を破綻させかねない政策は、果たしてまともなものと言えるのだろうか。確かに今回のような事態が生じて、全く何もしない場合よりは、行動する方がいい。住宅ローンでの、両公社への依存度が高まっているからだ。

 昨年来住宅ローン市場は収縮してきたため、ファニーメイやフレディマックへの住宅ローン会社の依存度が逆説的に増加した。2008年4~6月に実行された住宅ローンの90%が2公社によって保証されている。この割合は1年前には48%だった。住宅公社による保証が以前ほど当てにならなく思えても、危機に際しては何もないよりましなため、保証への需要が高まるのだ。

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