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ドルの信認はどこまで揺らぐ

2008年9月4日(木)

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 IMF(国際通貨基金)によれば、世界の外貨準備における円の比率は2000年3月末時点で6.3%だった。それが、2008年3月末には3.1%へと半減した。世界の名目GDP(国内総生産)に占める日本の割合は9%前後である。経済規模に比して円の存在感は妙に低くなっている。

 それは、基本的に円の低金利が海外通貨当局に嫌気されているのだと思われるが、それに加え、経済面での中長期的な戦略性において日本に魅力が感じられない面も影響しているだろう。

外貨準備における通貨別比率

 ドルの状況はどうだろうか。2008年3月末時点で外貨準備に占めるドルの比率は63%。ピークの2001年6月より10ポイント下がっている。

 昨年夏のサブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資)問題以降、米金融システムは危機的な状況に陥っている。それが契機となって、ドルの基軸通貨の地位が揺らいでいるのではないか、という声が多く聞かれる。果たしてどうなのだろうか。

ブレトンウッズ体制の末期に近い「第2ブレトンウッズ体制」

 ニューヨーク大学のルービニ教授は、湾岸諸国、ロシア、インド、中国、アルゼンチンなど多くの国が、自国通貨をドルにペッグするかあるいはそれに準ずる厳格な為替レート管理を行っている現状を「第2ブレトンウッズ体制」と呼んでいる。

 もともとのブレトンウッズ体制とは、1945年に連合国が固定外為相場制として作ったものであり、1971年まで継続された。同体制の終盤、米国は双子の赤字であり、金融政策は緩和的だった。それが当時のコモディティー価格を高騰させ、ドルに自国通貨をペッグさせていた国(日本を含む)でもインフレが生じた。

 ルービニ教授は「第2ブレトンウッズ参加国」も似た状況にあると指摘している。高騰したインフレの弊害から逃れるために、固定的な為替レートをやめて、自国通貨切り上げの調整を行う必要が生じてくるという。

 実際、ドルに自国通貨を事実上ペッグしていたウクライナは、2005年以来継続していた公定為替レートを今年5月に切り上げている。5月の消費者物価指数上昇率が31%へ上昇するなど、インフレに耐えられなくなったためだ。

ドルペッグ国に押し寄せるインフレ

 8月12日にIMFは、サウジアラビアに対して次のような勧告を行っていた。

 ・ サウジアラビア・リアルのドルに対するペッグはマクロ経済の安定化に貢献してきた。その利益は、インフレ率の上昇というコストをこれまで上回ってきた。

 ・ しかしながら、金融政策の役割が限定され、サウジアラビア・リアルが過小評価されていることを鑑みると、代替的な為替レート体制を含むすべての政策選択肢が検討されるべきである。

 ・ インフレの動向を当局は注意深くモニターするように強く要請する。

 また、今年7月にはアラブ首長国連邦(UAE)のアブダビ経済計画庁が発表したリポートが世界的に高い関心を集めた。同リポートは、GCC(湾岸協力会議)加盟国の経済はドルペッグにより高インフレに悩まされていると指摘し、実際の貿易額を反映させた通貨バスケット制を検討すべきと提唱していた。

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「ドルの信認はどこまで揺らぐ」の著者

加藤 出

加藤 出(かとう・いずる)

東短リサーチ社長

1965年生まれ。88年4月東京短資入社。2013年より現職。国内外の短期金融市場の現場の視線から金融政策を分析している。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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