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救済が金融不安を拡大する米国の「時限爆弾」

  • ハンカー・オジヤサール

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2008年9月11日(木)

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 ヘンリー・ポールソン米財務長官が今週初めに発表した米住宅公社救済策は、市場に衝撃を与えた。GSE(政府支援機関)と呼ばれるファニーメイ(連邦住宅抵当公社)とフレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)を、監督官庁である連邦住宅金融庁(FHFA)の管理下に置き、現経営陣を解任することにしたのだ。

 この発表で重要な点は、財務省が、優先株購入枠の設定という形で、合計で最大2000億ドル(21兆6000億円)の公的資金注入枠を設けたことだ。さらに、両社の発行済み株式の79.9%に当たる普通株のワラント(新株購入権)を取得した。これらの措置が、今後、投資家に与えそうな影響を分析してみよう。

既存株主が抱えるリスクは増大

 この施策は、既存の株主価値を5分の1に希薄化することを意味し、両社の普通株は大幅下落する可能性が高い。しかし、これはあくまでも潜在的な希薄化の可能性に過ぎず、現段階では、米政府が将来的に、両公社を80%近く所有する権利を持ったというだけのことだ。今のところは、財務省が10億ドル分の優先株を取得する予定はあるが、すぐ両社に資本を注入するつもりはない。

 最も直接的な影響を受けるのが、2社の優先株を既に保有している金融機関だ。当局は2社の既存の普通株と優先株の配当を停止したため、株価はどちらも大幅に下落しそうだ。株価がどの程度で落ち着くかははっきりしないが、この措置により一部の金融機関が破綻リスクに晒されるだろう。

 ファニーメイもフレディマックもほんの1年前までは極めて安全な投資先だと考えられていたため、多くの銀行は両公社の株式や債券に余裕資金を投じてきた。銀行の多くは普通株をそれほど保有していない一方で、かなりの金額の優先株や債券を保有している。

 サブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資)問題に端を発する危機が始まって1年になるが、ほとんどの銀行は保有する優先株を売却できず、その結果、巨額損失を被っている。

巨額損失被る銀行を救うべきか否か

 米貯蓄金融機関監督局(OTS)は現在、829の金融機関を監督する。このうち2%が、2公社の普通株及び優先株を大量保有していることが原因で、市場リスクに晒されている。リスクを抱えているこうした金融機関を、政府は必要に応じて支援すると発表している。

 当然ながら、政府による市場介入の度合いとリスク負担が一層増し、権力乱用の危険が高まる。政府は危機に陥るすべての金融機関を救うのか。そうでないのなら、どこが救われて、どこが見捨てられるのだろう。その線引きは完全に公正であり得るのだろうか。

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