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新政権、強いドル志向は変わらず

  • 吉本 元

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2008年9月16日(火)

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 米国の大手投資銀行、リーマン・ブラザーズが破綻し、ドル安が進んでいる。米国経済、ドルの先行きに不透明感が高まる中で、11月4日の大統領選挙の投票日が迫っている。

 金融不安が米国の実体経済に影響を与えるのではないかという懸念が生じている中で、新政権はどのような為替政策、さらには通商政策を取ろうとしているのか。

減税実施は2009年6月にも

 民主党のオバマ候補、共和党のマケイン候補ともサブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資)を契機とした米国経済の低迷、先行きの不透明感を受けて、景気対策を主張している。

 景気対策の柱は大規模減税で、2009年については、オバマ候補が800億ドル、マケイン候補が1250億ドルの規模を検討している。これは、2008年4月末から行われた所得税減税(2008年中で1067億ドル)並か、それを上回る規模である。

 大統領の景気対策の提案を受けて、議会が法案を通し、実際に減税が実施されるのは、早くて2009年6月あたりと考えられるが、短期的には景気浮揚効果が見込まれ、景況感からドルが買い支えられる可能性が考えられる。

 ただし、減税により、財政赤字拡大のリスクが高まる。財政赤字の拡大は、米国債の発行増を意味する。米国は貯蓄率が低いため、米国債は国内資金で消化できない。我が国を含めた海外資金が不可欠となる。

 米国の債券の中で最も高格付けに位置する国債が供給過剰になれば、海外投資家は、個別企業のリスクではなく、米国全体のリスクと捉えるだろう。ドル資産全体に対して海外投資家の信認が低下し、ドル安を引き起こす。

財政赤字削減の熱意=強いドル志向

 逆に、新大統領が、財政赤字を減らす行動に出れば、強いドル、ドル高を志向しているというメッセージを読み取ることができる。両大統領候補とも、この点については、財政規律の導入を唱えている。つまり、減税をする場合には増税や歳出カットによって財源を確保する、というルールである。

 額面通り受け取れば、両候補者とも強いドル志向だと言えるが、問題は、それがかけ声にとどまらず、実際に赤字削減の成果を上げるかである。具体的には、景気対策の減税に、きちんと財源がつくのかということである。

財政赤字とドル

政策金利とドル

 両候補者とも、歳出削減を財源に挙げているが、「歳出の無駄遣いを減らす」「利権政治家による、バラマキ型歳出を止める」という理想論、抽象論を述べているに過ぎず、減税に見合う歳出削減が進むのか不透明感が強い。

 さらに、米国でも、ベビーブーム世代の現役引退が2010年より急増し、高齢化社会に突入する。確定給付型の公的年金システムの中で、現役世代の拠出が減って、引退世代への給付が増える。高齢化に伴い、公的医療保険(メディケアと呼ばれる高齢者を対象とした保険)の支出が増えることも見込まれる。これらの社会保障のコストがおのずと財政赤字を生む点にも注意が必要である。

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