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実は関係深まるロシアとEU

グルジア紛争での対立激化リスクは低い

  • 服部 哲郎

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2008年9月17日(水)

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 黒海とカスピ海に挟まれたコーカサス地方のグルジアで8月に勃発したロシアグルジアの紛争はロシアと欧米諸国の対立に発展している。しかし、EU(欧州連合)とロシアの対立がエスカレートするリスクは低いであろう。そこでまず初めに、紛争に至った経緯を過去に遡ってまとめてみよう。

 冷戦終焉後の旧ソ連解体(1991年)から独立したグルジア(キリスト教徒、東方正教会)は領内の南オセチア(イラン系キリスト教徒)、アブハジア(イスラム教徒)における民族紛争を抱えていた。

 両地域はロシアの支援を受けて、グルジアから分離を図り、グルジアの実効支配が及ばない状況にあった。

 両地域の分離を阻止しようとするグルジアとロシアの対立が深まり、8月に軍事衝突に至った。軍事力で圧倒するロシア軍がグルジアに侵攻した。

 2回にわたるEUの仲介を経て、ロシアはグルジア領から軍隊を撤退させることで合意したが、両地域の独立を承認した。

ロシアが強攻策に踏み切った3つの主要因

 ロシアが強攻策に踏み切った背景には、主に以下の3要因が指摘されている。

 第1に、旧ソ連を構成したバルト3国を含めた東欧諸国が相次いでEUやNATO(北大西洋条約機構)に加盟するなど、ロシアは自国の安全保障に対する苛立ちを募らせていた。NATO加盟を志向するグルジアの親米政権に圧力を加え、同様にNATOやEU加盟を目指してロシア離れを画策するウクライナを牽制することを意図した。

 第2に、資源大国としてエネルギー供給における有利な立場を対EUや周辺国向けに活用するロシアにとって、中央アジア諸国が産出する石油ガスを、ロシアを迂回して輸出するBTCパイプライン(英BPなどが出資)の要衝に位置するグルジアへの影響力を確保する動機が存在する。

 第3に、後述するように、欧州はロシアのエネルギー、市場への依存度を高めており、欧州はロシアとの決定的な対立を回避するとの読みがあった。

 欧州では、冷戦期に鉄のカーテンの東側に置かれた東欧諸国や、旧ソ連から独立したバルト3国を中心にロシアに対する警戒感は根強い。今回のグルジア侵攻は、資源ブームを背景としたロシアの大国意識復活を如実に示しているため、ロシアへの不信感は一段と高まっている。

神経を尖らせているが…

 ロシアのメドベージェフ大統領は、

 旧ソ連崩壊後に独立した14の共和国にロシア人が少数民族として残され、これらのロシア人保護が必要なケースが発生している、

 アルバニア人が多数を占めるコソボが、旧ユーゴスラビアを構成したセルビアから、ロシアの反対にもかかわらず独立を宣言し、欧米主要国が独立を承認したことから国境線が変更された実績がある、

 などの理由から南オセチア、アブハジアの独立を正当化したため(8月27日付英フィナンシャル・タイムズ紙)、欧米諸国はロシアが軍事力を背景に影響力回復に乗り出したとの見方を強め、その動向に神経を尖らせている。

 しかし、以下の理由からEUとロシアの全面的な対立は考えにくいだろう。

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