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オバマとマケイン、違いが希薄化

金融危機で次期政権の経済政策に期待は高まるが…

  • 安井 明彦

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2008年9月26日(金)

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 金融市場の混乱が続き、景気の弱さが鮮明となっている米国。大統領選挙でも、有権者の関心は経済に集中している。

 しかしながら、選挙戦における政策論争は活発とは言い難い。それどころか、バラク・オバマ、ジョン・マケイン両候補の立場の違いが曖昧になってきている傾向すら感じられる。経済状況が緊迫するにつれて、米政府が取り得る選択肢が限定されてきているからだ。

金融市場対策への評価に違いなし

 両候補の立場の違いが目立たなくなっている典型的な例が、金融市場の混乱への対応である。

 金融市場の混乱に対する政策対応が急速に動き出したのは、9月7日に発表された政府系住宅金融公社2社(ファニーメイとフレディマック)の救済策からだろう。経営難に陥っていた2公社に対する救済策について、濃淡の差こそあれ、両候補はほとんど同じような反応を示した。

 救済策自体については、いずれの候補も一定の評価を与えている。いずれの候補にも、2公社の経営難が深刻化した場合の経済への影響を考えれば政府による介入の度合いを強める以外に選択肢はなかった、という認識がある。本来であれば政府の役割拡大に批判的な共和党のマケイン候補も、「憤りは覚えるが、残念ながら必要なステップだった」と述べている。

 将来は2公社の位置づけを見直す必要があるという点でも、両候補の立場に違いは見られない。ポールソン財務長官が指摘するように、今回の救済劇によって2公社が株主の利益と公益を同時に追求するという矛盾を解決すべき時期に来ているという認識が強まっているからだ。伝統的に民主党は、住宅金融の円滑化という公的な役割を重んじる立場から2公社を擁護する傾向が強い。

 しかし、民主党のオバマ候補は2公社の将来像に関して、「公的な機関なのであれば利益を求めるべきではない。民間企業なのであれば救済の対象になるべきではない」として、その位置づけを明確にすべきだと指摘する。共和党のマケイン候補はさらに踏み込み、2公社の規模を縮小したうえで、いわゆる「暗黙の政府保証」を明確に廃止すべきだと主張している。

 2公社救済策の発表後も、金融市場を巡る激動は止まない。リーマン・ブラザーズの破綻、アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)の救済、さらには公的資金による金融機関の不良資産買い取り案の発表と、短期間に大きな出来事が続いた。しかし、こうした中でも、両候補の姿勢に大きな違いは生まれていない。突き詰めてしまえば、公的資金を使った処理を容認しつつ、将来の再発防止には規制の強化が必要とする点で、両候補の主張はほとんど一致している。今後、財務省の自由度に対する制限について、マケイン候補がどこまで厳しい主張に踏み込むかが注目される。

オバマ氏の高所得層増税論もトーンダウン

 両候補の立場が鮮明に違うはずの税制でも、論戦の雰囲気が変わってきた。景気の減速が続く中で、所得再配分機能の強化を主眼とする税制改革を主張してきたオバマ候補も、税制と経済成長の関係に気を配らざるを得なくなっている。

 税制に関するオバマ候補の提案は、経済成長の“果実”が広く行き渡っていないという問題意識に立脚している。このためオバマ候補は、高所得層には増税、中低所得層には減税を行い、税制の累進性を高めるよう提案してきた。こうしたオバマ候補の考え方は、税制の狙いを経済成長の促進に定め、所得税・法人税の税率を低く抑えるべきだと主張するマケイン候補とは対照的である。

 もっとも最近のオバマ候補の言動では、中低所得層への減税を強調する傾向が目立っている。民主党大会での大統領候補指名受諾演説でも、オバマ候補は「自分は勤労家庭の95%に減税を行う。このような経済状況で最も避けなければならないのは中間層への増税だからだ」として、減税の部分をことさらに強調している。

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