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米国発金融不安のアジア経済への影響

  • 竹島 慎吾

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2008年9月29日(月)

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 9月16日、米大手保険会社AIG(アメリカン・インターナショナル・グループ)の子会社AIAのシンガポールオフィス前には早朝から保険証書を手にした人が列を作った。米投資銀行リーマン・ブラザーズの破綻に続き、AIGの経営不安が高まったことで、保険解約を求める人が殺到したためだ。翌17日、FRB(米連邦準備理事会)がAIGに対し850億ドルの救済策を発表すると、今度は前日に保険を解約した人が契約復活を求め押しかける光景が見られるなど、シンガポールも米国の金融市場の混乱に振り回された。

 米国のサブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資)問題に端を発した金融市場の混乱が表面化してから約1年。この間、世界の主要金融機関のサブプライム関連の損失額は膨らみ続けている。もっとも、アジアの金融機関の損失額は小さく、アジア経済への影響は限定的との見方が主流であったが、ここに来てアジア経済の先行きにも不透明感が強まっている。

高まるアジア経済の減速リスク

 筆者は昨年9月の本欄で、サブプライム問題のアジア経済への影響は、以下の3点を理由にそれほど大きくないと述べた。

それは、

 (1) 米国は金融緩和などの政策余地が大きく、景気の大幅な落ち込みは考えにくい
 (2) アジア各国は潤沢な外貨準備高を有しており、アジア通貨が大幅に下落する局面では、自国通貨買い介入の余地が大きい
 (3) 中国経済が米国経済の減速をある程度吸収する緩衝材の役割を果たす

というものだ。

 現在の状況を確認すると、

 (1) 米国は大幅な金融緩和を実施。米国の短期金利の指標であるFF(フェデラルファンド)金利の誘導目標は5.25%から2.0%へ低下。追加利下げの可能性はあるものの、利下げ余地は狭まっている
 (2) アジア各国は、自国通貨買い介入により韓国やタイなどの一部の国で外貨準備高が減少しているが、依然高水準を維持
 (3) 中国経済は減速傾向にあるものの、10%成長を維持
とおおむね条件は維持されている。

 他方、リスクシナリオとして、米景気の大幅失速、中国の経済や株式の調整を指摘した。足元で、米国経済は実質的にリセッション(景気後退)入り、中国の株式は昨年10月のピークから一時約7割下落するなど調整色を強めており、アジア経済の減速リスクは、1年前に比べ高まっている。

アジア経済の大幅減速の可能性は大きくない

 それでも筆者は、アジア経済が大幅に減速する可能性は大きくないと見ている。その理由として、10年前のアジア通貨危機時と比べ、アジア経済のファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)が格段に向上していることに加え、中国経済が急失速を回避できると考えるためである。

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