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受注拒否を始めた「世界の工場」

  • アレクサンドラ・ハーニー

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2008年10月14日(火)

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アレクサンドラ・ハーニー
日本語、中国語が堪能な香港在住の米国人ノンフィクション作家。98年に英FT(フィナンシャル・タイムズ)入社。FT退社後、香港に拠点を移し、2年ほどかけて中国本土で工場経営の実態を調査する。その成果は『THE CHINA PRICE』(The Penguin Press)としてまとめ、今春から世界各国で発表され始めた。邦訳版は日経BP社から発刊予定。(写真:菅野 勝男)

 中国・広東省。この中国南部の一大輸出拠点で玩具工場を経営するロバート・チャンは、かつての中国の輸出企業では考えられなかった行動を取り始めた。

 それは、不当に安いと判断した注文は、引き受けないこと。今のような厳しい環境の中で生き残るためには、受注価格の引き上げでは、もはや対応できないからだ。

 広大な工場、そしてとにかく稼ぐことに一生懸命な1万人の従業員を抱えるチャンにとっては、客からの注文がどんなに安値であろうとも、引き受けることができた。世界が太刀打ちできない「チャイナプライス」で、チャンの工場は製品を供給できた。

 しかし、そんな話も今は昔。チャンは今年、従業員の半数を解雇した。人員整理は、中間管理職や幹部クラスにまで及んでいる。こんなことは初めての経験だ。

 「生産性の低い社員を削減するしかない。そうしなければ生き残ることはできない」と、チャンは言う。かつては15~20%という高い利益率を上げていたが、今期は赤字の見通しだという。

1万件の倒産が予想されている広東省

 広東省では、今年中に約1万件に上る製造請負業者の倒産や廃業が予想されている。深刻な資金難から、受注した製品の生産に必要な原材料を調達できない業者も存在する。これまで取引通貨とされてきた米ドルに代え、人民元での支払いを要求するケースも見られるようになった。

 原材料費に人件費、そして地価に人民元、税金とあらゆるものが上昇し、今年度の利益は吹き飛んでしまっている。中国製品の大半は、原材料費が製造コストの約60~70%を占める。その原材料コストが、近年の商品価格の上昇に伴い増大しているのだ。2005年7月に為替制度をドルペッグ制から管理フロート制に移行して以来18%上昇した人民元高も、輸出業者の利益を圧迫している。

広東省にある玩具工場
(AP Photo/Eugene Hoshiko、写真はイメージで本文とは関係ありません)

 中国南部の各地方政府はここ数年、毎年2ケタの率で最低賃金を引き上げている。香港に隣接する深セン市でも今年、最低月給基準を中国国内最高額となる1000元(約1万5500円)に引き上げた。

 それに加え、今年1月に施行され話題になった新法、労働契約法により従業員の解雇が困難になったことも、製造業者のコスト増大の一因となっている。中国の裁判所は今や、雇用主に対し同法の順守を求める労働者側からの提訴で手いっぱいの状態だ。

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