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“おとり労働者”が暴く不当就労の実態

  • アレクサンドラ・ハーニー

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2008年10月28日(火)

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縫製工場で働く中国の労働者
(AP Photo/Elizabeth Dalziel、写真はイメージで本文とは関係ありません)

 黄偉木(ホワン・ウェイムー)の名を知る者はまだ少ない。だが、知っておいて損はない人物だ。

 9月1日、出稼ぎ労働者の黄氏は、中国南部の工業都市、広州市の労働問題管轄当局へ出向いた。地元の縫製工場からの未払い賃金5万5334人民元(約85万5000円)の支払いを要求するためだ。これ自体は異例でも何でもない。中国の出稼ぎ労働者は、長年、こうした苦情を役所に訴えてきた。

 黄氏が注目に値するのは、ホイジー衣料縫製工場で5カ月間働いた動機にある。不当就労を管轄当局に告発するためにあえてこの工場を選んだのだ。しかも、地元当局への通報にとどまらず、インターネット上に不当就労の実態を投稿した。中国のネットコミュニティーでの活発な議論を促し、国内メディアの関心を引くのが狙いだった。

急増する労使紛争件数

 中国の製造業、建設業、サービス業分野の雇用の大半を担う出稼ぎ労働者の姿は、従来と様変わりしている。

 かつては労働搾取工場並みの低賃金で長時間黙々と働く労働力として、長年、多国籍企業に重宝されていた。その出稼ぎ労働者たちが今や、1920年代以降最大の規模で反抗を始めている。今年、労使紛争件数は中国全土で1.5倍に増加。黄氏が訴えを提起した広州市では、92%増とほぼ倍増している。

 今年施行された新労働法もこの増加の一因だろう。だが、政府の執行体制は十分とは言い難い。国内の工場経営者や労働者の支援団体は、新労働法が公布される数年前から、出稼ぎ労働者の変化は始まっていたと指摘する。

 「出稼ぎ労働者の権利意識の向上を示す兆候は至る所に見られる。補償を獲得するための手段にも詳しくなっている」と、香港を拠点とする調査支援団体、中国労工通訊(チャイナ・レーバー・ブリテン)の編集者ジェフ・クロサル氏は言う。

1億5000万人の出稼ぎ労働者のパワー

 1億5000万人にも上る出稼ぎ労働者の行動や意見は、国だけでなく、中国国内で事業を行うあらゆる人々にも影響を及ぼすことになる。

 出稼ぎ労働者は、中国の驚異的な経済成長を過去30年間にわたり支えてきた。1980年代半ば、中国政府が農村部から都市部への移動を認めると、貧しい内陸部の農村から流出した大量の出稼ぎ労働者が、急速に発展する沿岸地域へ殺到、激しい職の争奪戦を繰り広げた。

 彼らの多くは、違法な長時間労働や危険な労働環境、不当に安い賃金といった苛酷な条件を飲んででも、見つかった仕事はどんなものであれ受け入れた。

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