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リストラ強要の前にまず資本注入を

  • 勝藤 史郎

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2008年10月10日(金)

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 米国で緊急経済安定化法が成立して、さして時間もたたないうちに、市場は「次の一手」を求めている。ダウ工業平均株価が1万ドル割れとなったのは、その証左といえる。8日、FRB(連邦準備理事会)を含む6カ国中銀はついに異例の緊急協調利下げに踏み切った。しかし、その後も市場混乱が収拾される気配は全くない。政府や中銀に残された手立てには、何があるのか。

 残念ながら即効薬はない。例えば、株価下落の一因となっている信用収縮が収まるには最低でも半年はかかるだろう。信用収縮は、金融機関が資金を融通し合う短期資金市場で、お互いに相手を信用しないカウンターパーティーリスクを懸念して、取引相手に対する信用枠をお互いに削減していることである。

 金融機関がいったん削減した与信枠を復活するには通常社内の機関決定が必要だ。この機関決定は、決算期ベースで行う。仮に10月に成立した緊急経済安定化法で不良債権の買い取りが軌道に乗り始めるのが来年の初めくらいとすると、信用枠復活の機関決定は早くて3月期の決算を待たなくてはならない。

預金の全額保護を

ヘンリー・ポールソン米財務長官

8日の会見で公的資金の注入について示唆するヘンリー・ポールソン米財務長官© AP Images/Evan Vucci

 信用収縮が起きているこうした有事の中で、米国が預金者・投資家の信頼を維持するには、預金や債券に政府の保証をつけることが欠かせない。銀行の破綻は取り付け騒ぎから起きる。実際、ドイツなど欧州の国は、早々と預金全額保護を政府が宣言した。

 一方、米国は預金については預金保護の上限を期限付きで引き上げたのみ。米国の預金保険機構は銀行の破綻などで既に基金不足の状態になっている。その状態では預金全額保護を言い出すにはタイミングが悪いという事情があろう。

 安定化法案の議論の中で預金保険金額の拡大は、主に納税者に対する配慮として議論されたようだが、この点は有事の金融システム維持のためには極めて重要な部分である。既に米国は前例がある。7月にフレディマック(米連邦住宅貸付抵当公社)やファニーメイ(米連邦住宅抵当公社)が混乱に陥った際、政府や彼らが発行するエージェンシー債に政府保証をつけている。債券に政府保証をつけたのであれば、預金にも同様につけるべきだ。

まず資本充実ありき

 既存の金融機関から、これ以上の資金流出がないとの前提で、次に必要になるのはバランスシートの整理である。政府が不良債権を買い上げることで、金融機関が自ら債権回収や管理を行う負担から解放され、次の段階に進むことができる。

 ただ政府による不良債権買い上げはバランスシート整理を促進するが、その整理の過程では痛みを伴うケースが、多数出てくる。不良債権に対して十分な引き当てがなされていない場合は、政府による買い上げにより新たな損失が発生し、そこで新たな資本の毀損が明らかになる可能性があることは既に多くが指摘している。

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