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「いつか来た道」をたどって破綻した大和生命

  • 内藤 眞弓

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2008年10月15日(水)

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 今から二十数年前、私が某大手生命保険会社勤務をしていた頃、大和生命の内勤をしている女性と知り合いになりました。彼女いわく「N生命さんは大変でしょう。うちは毎日が日曜日よ~~」とのこと。そしてこう言いました。

 「うちの経営方針は下手に動かないこと。契約なんか取れなくていいの。今ある資産を守っていればそれで十分なんだって」(あくまでも当時、彼女から聞いた話であることをお断りしておきます)

 毎日ネジを巻かれてあくせく営業をしていた身としては、脱力するやら、ほんの少し羨ましいやら…。このような記憶があったので、2000年に経営破綻した大正生命を、ソフトバンク・ファイナンスと組んで救済し、その後合併して株式会社化するといった大和生命の動きも、正直驚きでした。「へえ、まだ余力があるんだ」といったくらいの感想を持ったものです。

 こんな記憶があっただけに、「大和生命破綻」のニュースには驚きました。はっきり言ってノーマーク、視野の外でした。しかも、これまで数多くの保険の見直し相談を受けてきましたが、いまだかつて大和生命の契約者にお目にかかったことがなかったからです。

「打って出る」方向性を間違えたのでは?

 改めて金融機関のリスク度専門誌を確認すると、今年3月末時点の健全性・体力において「1年以内の支払い力が相当不安」というレベルでした。あらあら…。

 想像の域を出ませんが、泰平の世で安穏としているうちに、気がつくと外界はフルスピードで変化している。うちもただ守っているだけではだめだと一念発起。思い切って事業拡大を目指して、大正生命の破綻を機に打って出たといったところでしょうか。

 でも、打って出る方向性としては、規模の小ささを逆手に取って、人海戦術による営業から脱皮し、新たな生保のビジネスモデルを構築するという選択肢もあり得たのではないかと思います。

 スリムな組織体制で保障性商品を重点的に販売することにより、高止まりする平均予定利率を引き下げ、過去の重荷を軽くする道もあっただろうに、と思います。しょせん外部の人間の気楽さゆえの意見かもしれませんが…。

バブル前後に流行した商品と手法がいまだ“健在”

 生保経営においては、今年獲得した新契約が将来にわたってどのように収益に貢献してくれるのかが重要です。そのためには、過度にリスクを抱え込まず、長期的安定的に保険料収入を得られる商品戦略に知恵を絞ります(顧客の家計にとっては、多くの場合あまりよろしくない影響を及ぼすという、トレードオフの関係となるのが悩ましいです…)。

 大和生命の商品群を眺めてみると、利回りこそ劣るものの、バブル前後で盛んに売られていた商品と販売手法がいまだ健在で、まるでデジャヴュのようです。5年満期と7年満期の貯蓄保険、解約返戻金推移を示した養老保険や終身保険など、です。

 このような商品は契約時に約束した運用利回り(予定利率)をずっと確保しなくてはならず、逆ザヤのリスクと隣り合わせです。商品開発が追いつかなかったのでしょうか、コンサルティングをして保障性商品を売るだけの実力がある営業職員が不足していたのでしょうか。

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