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市場の安定とドル安防止で悩むFRB

  • 吉本 元

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2008年10月17日(金)

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 金融市場の混乱が世界中に広がる中で、震源地の米国経済、そしてドルに対する懸念が持たれている。当然、金融市場の混乱解消がドル安リスクを払拭するというのがオーソドックスな見方だろう。

 しかし、金融市場の混乱に対応した措置が、ドルのリスクを高めているという逆説的な見方も存在する点には注意したいところだ。

協調利下げはドル安回避のため

 当局は問題の解決に公的資金投入の議論を進める一方で、FRB(米連邦準備理事会)は事態の悪化を食い止めるために、10月8日に0.5%の緊急利下げに踏み切った。公的資金投入が成功し、市場が落ち着きを取り戻すまでは、「つなぎの政策」として、金融政策上の対応が必要との判断があるようだ。

FF金利先物に織り込まれた市場の政策金利予想

 この時の緊急利下げは、欧州、英国、スイス、スウェーデン、カナダの各国中央銀行と同時に行った。世界に懸念が広がっていることに対して、各国中央銀行の団結力を見せ、市場を落ち着かせようとしたものだと解釈できる。

 ただし、別の見方をすると、FRBは単独利下げがもたらすリスクを回避しているとも受け取れる。FRBが単独で利下げをした場合、米国の政策金利と他国のそれとの差が拡大することから、金利差からドルが売られるリスクがあった。同時利下げが行われた結果、直後に目立ったドル安進行は見られなかった。

 とはいえ、市場の利下げ期待は1回の利下げでは収まらず、追加利下げを織り込んでいる。政策金利が0%になるとこれ以上利下げができず、かつて日本銀行が経験した領域に入る。そうなれば、金融機関への資金供給量を増やすことで金融緩和を行う、いわゆる「量的緩和策」を取ることになるだろう。

“ケチャップの購入”を突きつけられるバーナンキ議長

 既に、FRBは、銀行に対して貸し出し基準を緩め、新規の貸出制度を設けている。さらに、従来貸し出しを行ってこなかった、銀行以外の金融機関や事業会社にも貸し出しを行うなど、事実上の「量的緩和策」に踏み切っている。こうした環境下で、政策金利が0%になった場合には、より積極的な「量的緩和策」を打ち出さなくてはならない。

 これまでの「量的緩和策」は、証券を担保に融通し満期後に担保を返却する「レポ貸し」が中心だ。しかし、ゼロ金利後には、金融機関の所有する資産を返却せずに買い取る、いわゆる「買い切りオペ」が資金供給の中心になると見られる。しかも、米国債など安全な資産のみを買い切るだけでは済まないだろう。日銀もゼロ金利時代に銀行の所有する株式を購入している。

 バーナンキFRB議長は、かつて、日銀の対応の緩慢さを批判して、金融機関に資金を供給できるよう、ありとあらゆるものを買い取って対応すべきであるとし、例えとして、「ケチャップを買ってでも資金供給をすべきだ」と言っていた。そして、今度は当事者として、FRBが“ケチャップ”を買うことにもなりかねない状況になった。

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