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安心と不安が交錯するアジア市場

  • 豊島 信彦

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2008年10月21日(火)

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 米リーマン・ブラザースが破産申請した9月15日の月曜日、世界の株価が急落した。しかし、この日、中国では国営メディアの新華社が「ブラックマンデー? 中国ではこの夏、3回も経験済み」と至って冷静なコメントを記した。

 確かに、中国株は米国発の今回の金融危機が深刻化する前から売り込まれていた。8月は北京オリンピックをはさんで、月曜日に株価が急落したことが3回あった。

 中国では今回の米株急落の相当以前から、下落基調を続けており、今さらながら、の話ではある。中国株を代表する上海総合指数は年初の5272ポイントからリーマン破綻直前の9月12日(金)に2079ポイントに達し、約60%も下落していたのだ。

 中国政府が手をこまぬいていたわけではない。15日、中国人民銀行は重陽節の休日にもかかわらず約6年ぶりの緊急利下げを発表、また、9年ぶりに預金準備率も引き下げた。1年物基準貸出金利は7.47%から7.20%に、市中銀行が中央銀行に預ける預金準備率は非大手金融機関に限定して17.5%から16.5%に下げ、貸出金利は16日に、預金準備率は25日に実施した(参考)。

その狙いが不透明

 ほとんどの市場参加者にはサプライズであった。インフレ抑制を最優先政策としてきた中央銀行が態度を一変したこともさることながら、その狙いが金融システムの安定なのか、景気浮揚なのか、あるいは株式市場対策なのか、定かではなかったからだ。おそらく、そのどれも狙ったものだったと見られるが、市場への効果は限定的だった。

 上海市場は休場明けの16日(火)から3日続落となり、18日(木)には上海総合指数は1895ポイントと2006年11月以来の安値を付けている。そのためかこの日、中国政府は株式市場に的を絞った対策を発表した。

 財務省は株式取得時の印紙税を撤廃、証券監督管理委員会は自社株買い規定を緩和、国有資産監督管理委員会は管轄下の国有企業に傘下上場会社の買い増しを要請、中央銀行は社債発行ルールの緩和を発表した。つまり、政府各部門が一斉に株価対策を発表したわけで、市場には強力なメッセージとして伝わり、翌日から2日間で上海総合指数は18%も上昇することとなった。

 しかし、話はここで終わらない。欧米各国による金融安定化のための対策がまとまり、米ダウ工業平均株価が11%高と未曾有の反発を見せた10月13日、上海株は小幅高にとどまり、その後、再び下げに転じている。

高みの見物のアジア金融当局

 今回の世界的な金融危機は米国で発生した後、欧州各国は第2の震源地になるのを回避すべく、米国以上の公的資本注入を打ち出しているが、アジアではまるで高みの見物をするかのように、それほどの積極的な対策は打ち出されていない。オーストラリア、ニュージーランドに続いて中国市場の前線基地とも言える香港で10月14日(火)、銀行預金の全額保護措置を発表した程度だった。

 これは地元の銀行で取り付け騒ぎがあったことに対応したもので、政府は「各銀行の財務状況は健全で、今回の措置は混乱を未然に防ぐため」と発表した。つまり、防衛的な政策であり、明らかに欧米政府のように資本注入のような全力での対策とは温度差が見られる。

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