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ドイツ:
サブプライム問題の奥にある真の課題

  • スティーブ・モリヤマ

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2008年10月23日(木)

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 日本の大学で教えている友人が、学生に「欧州最大の経済大国は?」と聞いたところ「英国」と答えた学生が何人もいたという。「最大の経済大国」の定義にもよるが、GDP(国内総生産)などの観点からはドイツである。今、この大国が、サブプライムローン(米国の信用力の低い個人向け住宅融資)問題の荒波を受け揺れている。

 今月、ドイツは最大で5000億ユーロに上る金融機関救済計画を発表し、さらに2009年のGDP予想成長率を1.2%から0.2%に下方修正した。ここ数年は空前の好景気で、失業率も徐々に改善されており、いよいよ旧西ドイツと旧東ドイツの統合も完成域に近づいた、と思われた矢先に、出鼻をくじかれた格好だ。

今も減り続ける旧東ドイツ圏の人口

 ドイツはGDPの3分の1を輸出が占める輸出大国である。技術力と輸出に支えられて、旧西ドイツは第2次大戦後の焼け野原から復興したと言っても過言ではなかろう。

 だが、1990年の東西統一後のドイツは、不調だった。東側に対する援助が膨大なものとなり、長年にわたって重い負担を強いられてきたからだ。ドイツでは、東西統合以来、毎年GDPの5%にも上る資金を東側に注入している。

 東欧諸国と同様、市場経済に適応できなかった東独の旧国営企業は、再統合後に倒産し大量の失業者を生んだ。比較的最近の2005年春時点でさえ20%近い失業率を記録している(ただし、ドイツでは“失業者”に一部のパートタイマーを含む)。

 しかも、ベルリンの壁崩壊から20年近くも経っているのに、東側の人口は減り続けている。統計によると、2001年から2006年の5年間で、50万人近い人口が減ったという。近年は東欧諸国の台頭により、ドイツの生産拠点を閉鎖し、東欧に移転する多国籍企業も少なくない。

“法人税率引き下げ合戦”についに参戦

 こうした状況もあって、ドイツは税制面での国際競争力を改善すべく、ついに2008年度の税制改正において、法人税の実効税率を大幅に引き下げた。2008年1月1日より法人税率は従来の25%から15%となり、法人税額に対する連帯付加税5.5%や営業税を含めた総合的な実効税率は、30%弱~33%程度になった。連帯付加税はドイツ再統合に伴う旧東ドイツ支援を目的として導入された税で、統合から20年近く経った今でも課されているのが実情である。

 一方、既存の企業に対しては、低税国に所得移転をさせないよう、当局の視点から費用対効果が最も高いと言われる移転価格税制について強化を図った。ドイツは、欧州では英国と並ぶ“移転価格税制先進国”である。2008年の税制改正でも、移転価格に関する新たな規定をいくつか設けた。

コメント2件コメント/レビュー

「無心」と「故意の無心」。朝青龍に読ませたい。(2008/10/23)

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いただいたコメント

「無心」と「故意の無心」。朝青龍に読ませたい。(2008/10/23)

少子高齢化対策に移民受け入れが必須という考えは、筆者の主観?それとも常識?少なくとも日本ではあまりこのような考えは浸透してない印象です。蛇足ですが1ページの地図でのミュンヘンの位置がちがいます(もっと東南です)。【編集部から】地図に誤りがあり、修正致しました。ご指摘ありがとうございます。(2008/10/23)

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