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「恐慌」正面突破~危機の教訓1994

1ドル80円工場

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2008年10月24日(金)

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 日経ビジネスは2009年10月に創刊40周年を迎えます。この間、日本経済に深刻な影を落とす経済危機が繰り返し起きました。その都度、1929年「暗黒の木曜日」に端を発する世界恐慌の再来を恐れながらも、危機を乗り越えてきました。2008年秋、世界は同時株安と信用収縮に直面しています。創刊40周年カウントダウン企画として、過去の経済危機を伝えた記事を再録していきます。

第7回

急激な円高に日本企業がおののくのは今が初めてではない。1995年、円は対ドルで70円台に突入した。その前年、日経ビジネスが円高に悩む日本のモノづくりに提示した処方箋が「1ドル80円工場」。急激な円高が日本企業の業績を直撃する2008年、ヒントが隠れているはずだ。

* * *

ソニー、日産、リコー…空洞化に挑むモノづくり

1994年9月19日号より

超円高下、「強い工場」づくりが始まった。
ヒトの活用、技術保存で空洞化に果敢に挑戦する。
基礎加工技術を喪失すれば、日本の崩壊につながる。
この危機感が"生産ルネサンス"の引き金となる。
1ドル80円台をも乗り切る新たなモデル工場を探った。

(菅原 雅信、藤田 宏之、今川 玄)

電機  ソニー幸田工場
目標 1ドル=85円

多能工スパイラルラインで90円の壁を破る

 「現段階では、世界中のどの工場にも負けない。どこよりも良い物を、安く、早く作れる。この先3年間は、海外工場に十分対抗できる自信がある」。ソニー幸田の内田治社長の鼻息は荒い。同社は愛知県幸田町にあるソニーの生産子会社で、8mmビデオ一体型VTR(ムービー)の基幹工場だ。

 製品の輸出比率は8割で、円高の痛手は大きいはずなのに、工場内は意外にも活気にあふれている。同社の中期経営計画では、今の円高などものともしないかのような為替レートの想定数字が並ぶ。1995年には95円、96年には90円、3年後の97年には85円。社長がそれでも耐えられるという工場の姿は、その発言と同様、常識を破ったものだ。

 その代表例が「多能工スパイラルライン」と名付けられた屋台型の組み立てラインだ。7~8m四方の空間に、渦巻き状にぐるりと並べられた作業台は、屋台というにはちょっと大きめのサイズ。その中を行ったり来たりしながら、ビデオムービーを作っているのは、3人の女性従業員。原則、1個の製品は、1人で最初から最後まで責任を持って作り上げる。

 ラインのわきには、社内の部品工場や外注先から届いた部品を乗せたワゴンが並ぶ。1人が、ワゴンからパッケージ部分の部品を取り上げ、作業台まで運び、そこで制御基板を取り付ける。

 隣の作業台では、もう1人の従業員が、テープの挿入部分の部品を組み込み、作業が終わるとその製品を隣にある中間検査の機械にかける。3人目に目を移すと、完成品をパソコンにつないで最終検査している。終了後は、また、部品を取って最初の工程から次の製品を作り始める。

 3人は不規則に行ったり来たりしている。実は、3人のうちの1人が熟練工で、「お助けマン」として指示を出しているのだ。時には、寄り添って工場では厳禁のはずの"私語"も交わしているようにも見える。作り上げるまでのスピードには個人差がある。これをチームワークによって補っている。

 彼女たちの働きぶりは、小さな居酒屋の厨房(ちゅうぼう)で働く板前を思わせる。客からの注文を受け、鳥をさばき、串(くし)に刺し、タレを付け、火にかける。できあがった焼き鳥の味見まで忘れない。

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中村 克己 元ルノー副社長、前カルソニックカンセイ会長