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収まらぬ欧州の金融不安、デレバレッジ誘発も

  • 服部 哲郎

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2008年10月29日(水)

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 9月中旬の米リーマン・ブラザーズ破綻以降、銀行間金利は上昇し、株式市場は乱高下するなど、金融証券市場は混乱の度合いを強めている。こうした市場の動きに背中を押される形で欧米主要国は協調利下げを実施し、銀行など金融機関への公的資金による資本注入や銀行債務の保証などの対応策を相次いで打ち出した。

 欧州諸国の救済策をまとめると、以下のようになる。

【英国】
 500億ポンド(直近の為替相場で約7兆1000億円)の公的資金を用意し、ロイヤルバンク・オブ・スコットランド(RBS)など大手銀行3行に最大で370億ポンドの資本を注入

【ドイツ】
 800億ユーロ(同約9兆2000億円)を用意し、州立銀行に資本注入する予定

【フランス】
 400億ユーロ(同4兆6000億円)を準備し、このうち主要6行に105億ユーロ(約1兆1000億円)を注入

【スイス】
 UBSに60億スイスフランの資本注入を実施すると共に、UBSから証券化商品など600億ドルの不良資産の受け皿となるファンド設立にスイスの中央銀行が関わる

 金融機関の破綻によって、金融システムにリスクが及ぶことを防ぐことで欧州諸国は足並みが揃い、銀行間金利は緩慢ながら低下するなど金融危機の最悪期を脱した(図)。

英米ユーロ圏における3カ月物銀行間金利

救済プランの規模は、日本のバブル崩壊の時の“4分の1”

 しかし、市場の動揺は収まっていない。欧州通貨は暴落し、円が独歩高となり、株式市場の急落が続いている。市場の関心が金融危機から実体経済の悪化にシフトし、金融危機の深刻化が先進国だけではなく、新興国市場にも幅広くダメージを与えるとの懸念の高まりを反映している。

 特に、欧州主要国の金融危機対策に関して、(1)各国が実施、あるいは用意している公的資金の金額が十分であるのか (2)資本注入後に銀行は貸し出しを増やすのか という根本的な疑問が浮上しており、実体経済への悪影響が広がるとの懸念がネックになっている。

 欧州主要国が資本注入などに用意した金額は、名目GDP(国内総生産)比で見て3%前後である。日本が1990年代以降に不良債権問題に費やした資金は、資本注入や株式を含む資産の買い取りなどを合計すると約50兆円となり、当時の名目GDPを約400兆円とすると、同比で約12.5%前後となる。

 現在の金融危機は、不動産バブル崩壊が金融機関の不良債権の増加に結びつき、金融システム不安を生んで金融機関の救済に追われるパターンをたどっており、日本の90年代の経験に重なるものが多い。問題の深刻さなどの吟味は必要ではあるが、直感的に、現在のスキームの規模は不十分との印象が否めない。

貸し渋りの解消につながらない可能性も

 また、資本注入後に銀行は貸し出しを増やすのかという疑問も残っている。確かに、公的資金の注入を受け入れた銀行は、貸し出しに関して政府と何らかのコミットメントを交わしている。例えば、英国ではRBSと共に資本注入を受けるロイズTSBとHBOSは、2007年の住宅ローン、中小企業向けローンの貸出利用額(availability)を3年間維持することを約束している。

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