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「恐慌」正面突破~危機の教訓1997

凍るアジア、日系進出企業を襲った通貨危機

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2008年10月30日(木)

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 日経ビジネスは2009年10月に創刊40周年を迎えます。この間、日本経済に深刻な影を落とす経済危機が繰り返し起きました。その都度、1929年「暗黒の木曜日」に端を発する世界恐慌の再来を恐れながらも、危機を乗り越えてきました。2008年秋、世界は同時株安と信用収縮に直面しています。創刊40周年カウントダウン企画として、過去の経済危機を伝えた記事を再録していきます。

第10回

米国発の金融危機で、アイスランド、ウクライナ…、新興国の経済が難局を迎えている。今から11年前、突然のアジア通貨危機に見舞われた時、進出していた日本企業はどう動いたか。

* * *

成長神話の"反動"が直撃
メーカーは生産調整、青息吐息の百貨店

1997年10月6日号より

自動車販売は4割減、百貨店売り上げも2ケタの落ち込み。
タイを襲った経済危機が周辺国へと波及している。
アジアの成長を信じ続々と進出した日系メーカーは、生産調整を余儀なくされ、輸出拡大に活路を求める。
だが、急場をしのげばアジア経済は再び回復基調に乗るのか。
経済立て直しの後には、中国との輸出競争も控えている。

(川嶋 諭、谷口 徹也、田原 真司=香港支局)

 「ガーン、ガーン」――。

 従業員のいなくなった工場に、基礎工事の槌音つちおとだけがむなしく響きわたる。タイの首都バンコクの中心部から車で約30分。エアコンや自動車用の電子部品を生産しているデンソーの現地生産子会社、デンソー・タイランドの工場は、週の半ばというのにラインが完全に止まっていた。

 基礎工事は、発注したばかりのプラスチックを成形する大型射出成形機を据え付けるためのものだ。「1台数億円する機械を2台入れるんですが、いつ動かせるやら。いっそのことバケツでも作って売ろうかなんて話しているんです」と下問洋一工場長は残念そうに語る。

 そのスペースの横には、これまた据え付けたばかりのエアコン製造用の最新ラインが、コンベアに作りかけの製品を載せたまま止まっている。デンソーと言えば、自動車用の電子部品で世界屈指のメーカーである。日本車が市場の約80%を占めるタイでは、日本と同じようにその強さが際立つ。その工場にしてこの有様だ。

 「対策ですか。こっちが教えてほしいですよ。とにかく、この状態はすぐに良くならないでしょうから、今までの半分の生産量でも企業が生きていける道をなんとか探さなければなりません」。デンソー・タイランドの広中和雄社長は、お手上げといった様子で話す。

 工場従業員の約4分の1に当たる170人あまりの契約社員は9月から契約を解除した。しかし、それでも残りの正社員の仕事量を確保できない。「正社員の雇用はなんとしても守る。それがタイに進出した日本企業の役目でしょう」と広中社長は言うが、打開策は見当たらないのが実情だ。

工場の稼働率はピーク時の30%に

乗用車販売は年央から不振が続く

 過大な不動産投機によるバブル経済が破綻し、1997年に入ってからタイの自動車販売は、それまでの成長軌道から下降局面に入った。97年1~7月の自動車販売台数は、前年同期比で16.7%も落ち込んだ。

 そして、それに拍車をかけたのが、7月2日、タイの通貨バーツの変動相場制への移行である。8月の自動車販売台数は、同38%減。最大手のトヨタ自動車は実に50%も減った。

 トヨタの現地法人であるトヨタ・モーター・タイランドは工場を週休4日にしたうえで2交代だった勤務体制を1交代にして生産調整を実施、生産能力をピーク時の30%に落とした。それでも、同社の村松吉明社長は「適正在庫は1カ月分なのに、今は2カ月まで膨れている。年内には1カ月に戻したいが、生産をこれだけ絞っても達成できるかどうか…」と話す。

 トヨタ以外の完成車メーカーも事情は似たり寄ったり。大型のトラックやバスを生産している日本車メーカーの中には、10月まで工場の閉鎖を決めたところもある。

 「通貨危機によるトリプル(3重の)ショック」――。日本のバブル崩壊後でも経験したことがない自動車販売の急激な落ち込みの理由を、本田技研工業のアジア地区の統括会社であるエイシャン・ホンダ・モーターの土志田諭社長は、こう説明する。

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