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マケドニア:
「思考の枠の外」にある国の思考の行方

  • スティーブ・モリヤマ

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2008年11月6日(木)

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 昨年の1月末、筆者はマケドニアの投資担当大臣と国営電力会社の会長を連れて、日本の会社をいくつか回っていた。帰国後、対談に応じてもらった何人かの日本の経営者から「“思考の枠の外”にある国について、気づきを与えてくれてありがとう」というお礼メールをもらった。

 多くの日本の読者にとっても、恐らく“思考の枠の外”にあるであろう、マケドニアとはどんな国なのか。まず地理的には、ギリシャブルガリアアルバニア、セルビア及びコソボに囲まれている内陸国である。

 旧ユーゴスラビア時代は、前回のボスニア・ヘルツェゴビナと並び経済発展が遅れており、先進国のスロベニアとの経済格差は6倍以上あったと言われている。また、この国の公用語は、マケドニア語で、ロシア語やブルガリア語と同じく、キリル文字が用いられる。

 有名人では、アルバニア人のマザー・テレサの出生地としても知られている。マケドニアでは、今でも人口の4分の1がアルバニア系であり、彼らが住む地域と人口の3分の2以上を占めるマケドニア人居住地域との経済格差が問題視されている。

たばこ、非鉄金属、丹下健三

 比較的温暖な気候と肥沃な土壌に恵まれ、第2次大戦前は、農業や林業が主要産業だった。今でも、主要産品の1つに葉タバコが挙げられる。筆者は喫煙しないのでよく分からないのだが、マケドニア産の葉タバコは、香りなどの観点から高品質商品として世界的なブランドだという。

 現状、マケドニアの国内法では、タバコの葉を加工せずに国外に輸出することが禁止されている。しかし、日系や中国系など、外資系タバコ会社は、加工前の葉タバコの仕入れに興味をもっており、政府に圧力をかけているようだ。

 マケドニアは、伝統的には農業国だったのだが、旧ユーゴ時代には、非鉄金属生産を中心とした連邦主導の工業化政策が進められ、工業国となった。だが、環境面への配慮が足らなかったのだろう。現在、様々な環境問題を抱えているという。

 日本との関係では、1960年代に首都スコピエで死者千名以上という大地震が発生後、震災復興都市計画を策定したのが、丹下健三である。また、日本は96年からマケドニアの国費留学生を毎年数人受け入れている。

 サッカーファンの読者は、昨年春、マケドニアの内務大臣の公用車がサッカーのデビッド・ベッカム選手の盗難車だったという新聞報道を覚えているかもしれない。どうやら、その車がマケドニアに密輸される過程で警察に調べられ、調査の結果、スペインで盗難にあい、ギリシャなどを含め所有権が20回も変わっていたことが判明した。

 マケドニア国内法では、所有者が名乗り出ない場合、所有権は国に帰属するらしく、結局、誰も名乗り出ないので、内務大臣の公用車になったらしい。冗談のような本当の話である。

国名にまつわるギリシャとの因縁

 この国は、地理的には、歴史的に“マケドニア”と呼ばれてきた地域の4割を占めるが、面積の5割を占めるギリシャや、1割を占めるブルガリアとの関係が微妙である。

 特にギリシャは、マケドニア地方の南部の州を既に“マケドニア”と呼んでいたこともあり、ギリシャの地名を国名とすることに激しい嫌悪感を示している。ギリシャ人の立場からすると、“歴史的にも民族的にも、ギリシャ系の古代マケドニア王国と何ら関係のない南スラブ人たち”がマケドニアと名乗ることは、耐えがたき屈辱なのだろう。

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