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「恐慌」正面突破~危機の教訓1999

80年代より悪く、いや増すドル暴落懸念

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2008年11月6日(木)

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 日経ビジネスは2009年10月に創刊40周年を迎えます。この間、日本経済に深刻な影を落とす経済危機が繰り返し起きました。その都度、1929年「暗黒の木曜日」に端を発する世界恐慌の再来を恐れながらも、危機を乗り越えてきました。2008年秋、世界は同時株安と信用収縮に直面しています。創刊40周年カウントダウン企画として、過去の経済危機を伝えた記事を再録していきます。

第14回

ドル暴落を指摘する声は2008年の金融波乱よりも前から指摘されてきた。 1990年代末のITバブル当時、ニューエコノミーという名のもとに米国経済の成長を旧来型の経済と切り離して考える風潮が高まった。 ITバブルはその後崩壊したが、米国を支える資金の出し手にアジアを加えて再びのバブルが繰り返される。 ドルは大丈夫か――。

* * *

全くもって維持不能(トータリー・アンサステイナブル)
「宴の後の厳冬を目前にしている」

1999年8月30日号より

楽観論者よ待ってほしい。米国の本当の姿を見てみよう。
景気を支えた消費は、株高に幻惑された個人が借金で実現したもの。
国全体としては、日英欧の資金なくして決して咲かなかったあだ花だ。

(日経ビジネス ロンドン支局特派員 谷口智彦)

ポイント
  • ニュー・エコノミーは虚妄である
  • 株式含み益頼みの消費は危険
  • 対外債務膨張からドル暴落懸念

 祭りの熱狂のなか独り醒めていることは至難である。そのことをわれわれは10年前の経験に学んだはずだ。当時ある大手証券系研究所は、日経平均株価が1990年代中葉までに8万円台へ届くと予想した。首を傾げた人は少なくなかったにせよ、断然これを否定できた人はどれほどいたことか。

 アドレナリンを過剰に含む空気が辺りを覆い、人みな熱に浮かされているような場所・米国には、今むしろ行かぬがよい。距離を置いてウォール街を眺めるならば、米国株価が崖っ淵にあり、米国ひいては世界経済が、宴うたげの後の厳冬を目の前にしている姿を望見することができる。これはまた英国金融街シティーの論者たちに、依然根強い視点でもある。

 早い話、対米楽観論につく者は例えば次の事情をどう説明するだろう。先進7カ国ならびにオランダ、ベルギー、スイス、スウェーデンの経験によれば、株価収益率(PER)はどれほど上昇しようとも、平常時平均値の3倍を大きく上回ることが滅多にない。日本の例でPERは平均27のところ、87年の絶頂時に77。英国では9と26。

 米国の場合、平時PERの平均値は11である。しかるにスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)500種平均株価のPERはすでに危険域の3倍を超しているばかりではない。S&P500ハイテク銘柄平均のPERに至っては、実に5倍以上の60台に達している。これこそはバブル、すなわち、語を定義すれば、存続不能な状態である。

 以下では、シティーのエコノミスト、ファンドマネジャーに拠りながら、シンクタンク・ロンバード街研究所の教授ティム・コングドンに倣って、米国経済の状態が「全くもって維持不能」であることを言うものだ。

「ニュー・エコノミー」論の虚妄

 米連邦準備理事会(FRB)議長アラン・グリーンスパンがニュー・エコノミーの主張に最も近づいたのは、今年5月6日、シカゴ連邦準備銀行で演説した時である。ほぼ同じスピーチを、6月14日の議会でも繰り返している。

 それによれば、情報技術(IT)なかんずくマイクロプロセッサー(超小型演算処理装置)、レーザー、光ファイバー、衛星通信のもたらした相乗効果が米国経済構造を転換させ、新規投資収益率と労働生産性をともに伸ばし、ひいてはインフレなき成長を可能にさせる一助となったという。

 さらに一歩を進め、技術革新が潜在成長率を押し上げた結果、米国ではいまや雇用の持続的拡大が可能となり景気循環が消滅したと主張するのがいわゆるニュー・エコノミー論である。旧態依然の統計より、株価こそが進行中の構造変化を先取りしているのだとして、この論は株価水準を正当化する根拠ともなってきた。

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